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まるで一市民と一国会議員のぶつかり稽古、書評「時給はいつも最低賃金、、、」

こんにちは、サカモトです。

月曜日と木曜日の週2回投稿していますが、今回は月曜日の記事です。


といいつつ、今回は7月6日土曜日も特別編ということで、誕生日の様子を土曜日にも投稿しましたので、こちらも読んでもらえると嬉しいです。


さて、今回は書評です。こちらの本をとりあげます。

題名は「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。」です。タイトル長いてすね。

タイトルはなるべく短くというのはよく言われることです。でもね、読み終わってみると、この本はこのタイトルでいい、いや、このタイトルこそがふさわしいと思えてくるのが不思議なところです。


そうだ、内容の話に入る前に、なぜこの本を選んだかというと、僕が応援する台灣在住の近藤弥生子ささんがYouTubeのポリタスTVに出たのですが、そのときに一緒に出演されていたのがこの本の作者の和田さんでした。

その時の配信がこちらです。今は無料視聴期間は終わったので会員以外は視聴できないのですが、、

ちなみに近藤さんのnoteにもまとめられています。youtubeでもお二人が仲よさそうでしたが、noteの中で書かれてますが、出演後に二人でお出かけされたそうです。

その時の印象が強く残っていて、和田さんの本を読むことにしたわけです。

そしたらですよ、のっけから圧倒されました。
とにかくとにかく、最初から最後まで圧倒され続けました。

まず、和田さんはフリーのライターなのですが、音楽と相撲というジャンルだったのですが、2008年頃からライターだけで食っていくことができず、様々なバイトをしてきたとのことです。

それからは生活のためにライター業と並んで、様々なバイトをしてきた。コンビニ、パン屋、スーパー、レストラン、おにぎり屋さん。飲食系ばっかりになるのは、私の「食べるのが好きそう」な見た目もあるかもしれない。ちなみに、時給はいつもその時々の最低賃金だ。

そして、コロナ禍になり、バイトもなくなり、不安が増大する中、政治家へ話を聞きたいと議員会館に向かったというのが、「はじめに」です。これがまだはじまりなんですよ。

それが分からなくて、知りたくて、2020年11月、私は東京の地下鉄・永田町の駅に降り立った。向かうのは衆議院第二議員会館。国会議員に、直接聞いてみることにした。 えっ? 何を考えてんだ、あんた? 大丈夫。ムチャなのは知っている。私はたいていの場合、そんな風に生きてきた。あとさき考えず、思うままに、やみくもに。私は自分の「分からない」をぶつけに行くことにした。高まる気持ちはまるで道場やぶりだ。当たって砕けろ! ドンドンドンッ、たのもっ!

そして、その道場破りの国会議員は誰かというと、映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」の主役である小川議員です。

作者の和田さんがこの映画を見て、ぜひ小川議員にインタビューしたいと思い立ち、申し込んだというのが経緯です。

それに対して、なんとかOKをもらうわけですが、特に考えてなくて、急いで出した質問がこちらです。

〇政治家には友達がいますか?
〇政治家は威張りますか?
〇てんぐになりがちな政治家としての自分を抑えるには何が必要ですか?
〇政治家は金持ちですか?
〇地元と東京を行き来する生活は体力的に大変ですか? 昔の大名みたいです。
〇政治家「小川淳也」ではない時間はありますか?

これは、言葉は悪いですが、小学生ですかという質問です。正直このレベルであれば恥ずかしくて、とても国会議員にインタビューなんて考えないと思います。

でも、和田さんは後先考えず、思いっきり突っ走るわけです。これはすごいことですよ。


そして、話はここから、始まります。

こうした質問に小川議員は真摯に、バカにするわけでもなく、一つ一つの質問に答えていくわけです。

そこから、どんどん難しい話になるわけですね。政治、経済、財政など。それに対して、和田さんは必死に食らいつくわけです。

その二人のやり取りはまるですもうのぶつかり稽古のようです。迫力がありました。


一番感銘を受けたのは、何度かやり取りが繰り返されたあとに、小川議員の発言が奮えます。

この大事な時間なんだけど、数回、議論させてもらってつくづく思うのは、正解ってないし、私と和田さんは正解を教える先生と、その生徒というものでもないでしょう。私の方がたぶん、入れてきた知識の量とか、考えてきた時間の厚みとか故に持ってるものは一日の長ではあるとは思うんだけど、でも、ものすごい馬力で急速に追いついてきてるし。思うにこの場のコンセプトは、専門家であり、責任ある立場の人間と、普通に暮らしてきた人が、取っ組み合いで一緒に考える、それだと思う。

ここの部分は読んでて感動してしまいました。こんな事を言う国会議員がいるのかと。


とにかく、この本は、和田さんの無鉄砲とも言うべき行動力と二人のガチンコのやり取りが見ものです。多くの人に読んでほしい一冊。


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