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あの辻村深月の名作「かがみの孤城」が映画化されるってよ!
こんにちは、サカモトです。
今回は、こちらの本「かがみの孤城」が映画化される件についての話です。もう今から楽しみでしょうがない!
予告編はこちらです。ほーら、嘘じゃないでしょう(笑)
映画化されるということで、今回小説を読み直してみたら、やっぱり良かったですね。何がいいのか解説していこうと思います。
あらすじ
読んだことのない人のために解説すると(読んだことのない人は人生の損失なので今すぐ読んでください)、次のとおりです。
主人公こころは、南東京市にある雪科第5中の中1で入学早々、ある事件をきっかけに不登校になる
引きこもりの生活を送っている中、一人で家にいると突然家の姿見が光りだして、鏡の中に迷い込んでしまう。
そこには、狼の顔した少女と他の不登校の中学生の男女6人(こころと合わせて7人)とお城の世界
狼の顔した少女から、お城に願い事を叶えることのできる秘密の鍵が隠されていて、7人のうち一人だけが願い事を叶えることができる
といった話です。
鏡の世界の不思議な世界は一体何なのか、他の6人の不登校の子どもたちとの関係は何か、狼の顔した少女は一体何ものなのかなど、ミステリー的な謎解き要素もいいですし、更にその謎が後半解決していく際の畳み掛けるような展開も素晴らしいものがあります。
不登校の少女の描写が秀逸
辻村深月さんの小説の特徴として、悲惨な状況や不幸な立場の人の描写が、真に迫っていて、その人が味わっている苦しさや悲しみなどが本当に自分が感じるように描いていて、読んでいて本当に苦しくなります。
辻村さんが過去にどんな経験をされてきたのか分からないのですが、不登校を実際に経験されたのではないかと思わされる表現ですね。
例えばですね、こんな感じです。
色とりどりのバッグをハンドルのところにかけたベビーカーがベンチのそばに並んでいるのを見ると、「ああ、午前中もあとちょっとだ」と思う。十時から十一時くらいにかけて集まり始めた親子たちは、十二時にはお昼ごはんのために、みんないったんそこからいなくなる。 そうしたら、少し、カーテンが開けられる。
カーテンの布地の淡いオレンジ色を通し、昼でもくすんだようになった部屋は、ずっと過ごしていると、罪悪感のようなものにじわじわやられる。自分がだらしないことを責められている気になる。
だけど、朝起きたらダメだった。 いつものようにおなかが痛い。 仮病じゃない。本当に痛い。 どうしてかわからなかった。朝、学校に行く時間になると、仮病じゃないのに、本当におなかや、時には頭も痛くなるのだ。
(中略)
「いつもと同じ」 小声で答える。言い終えないうちに、お母さんが続けた。
「いつもと同じって、昨日までは平気だったんでしょ? スクールは学校じゃないのよ。毎日じゃないし、来てる人数も学校より少ないし、先生もいい人そうだったでしょう。行くって、こころが言ったんでしょう。どうするの、行かないの?」
矢継ぎ早に責められるように言われると、ああ、お母さんは行って欲しいんだとわかる。だけど違う。 行きたくないんじゃない、仮病じゃない。
本当におなかが痛い。
なんか、ここだけでも読んでて苦しいですよね。自分は不登校になったことないですけど、朝起きるとおなかが痛くなるというのは聞いたことがあります。
あのう、まだこれ序盤の方の話で、まだまだいっぱい苦しくなるようなことがいっぱい出てくるんです。
例えば、不登校のきっかけになった事件とかね。これなんかはもう苦しいとか通り越して怖いんですけどね。
最後に
先日のニュースで、不登校の小中学生が24万人で過去最多になったことが報道されました。
このニュースを見て、苦しむ子どもたちがこんなにもいるのかと悲しくなりました。
この小説では、後半に主人公のこころが、「たかが学校」という価値観を知って、学校にいけないことに少しだけ気分が軽くなることが描かれます。
そうです、学校が全てじゃないんです。
そういうことに気づかせてくれる小説ですね。不登校について考えさせられるので、とってもおすすめです。
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