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書評「誰でもみんなうつになる」 うつの初級者向けの本!

こんにちは、サカモトです。

今回はこちらの本「誰でもみんなうつになる」の紹介です。

誰でもみんなうつになる

近藤さんのnoteとVoicy

こちらは昨日のnoteにも書きましたが、近藤弥生子さんがnoteとVoicyで紹介していたので購入しました。

特に、Voicyは著者との対談になっていて、著者の声が聞ける数少ない機会だと思いますので、ぜひ聞いてみてください。

この配信を聞いたあとにこの本を読んだので、著者の声を聞いたあとに、著作を読むという珍しい体験をしました。なんか不思議な感じがしました。

実は、4、5年前に、僕も人間関係や仕事の無理が重なって色々とだめになって、うつになったことがあります。

今現在はほぼ寛解していますが、その時の苦しかった体験から、人ごとではなく、興味深く読むことができました。


自分がうつになるとは思わなかったというけれど

まずは、最初に作者自身は、ズボラで完璧主義ではないという性格で、うつになるとは思わなかったとあります。

しかし、日本で暮らしていれば、どんな性格であっても、ストレスが知らず知らず、苦しい状況に陥りやすいので、どんな人もうつになる可能性高いと思います。

あと、お子さんもいらっしゃるようなので、子育てをしてれば、やっぱり苦しいですよね。日本の子育ては異常ですよ。

さらに、このマンガを読んでいて思ったのが、著者はうつ病についてなどかなり精密に調査をする性格で、著者自身はズボラと言っていますが、かなりマメです。

逆にうつになりやすい性格だと感じました。

まずこの本で感じたのは、著者はうつにならない性格では決してない、ということですね。


この本の良いところ

ここからは、この本の良いところを3つ上げていきたいと思います。

  1. マンガであること

  2. 作者自身の症状が軽症であること

  3. 精神科医が監修していて情報に信頼がおけること

順に説明します。

1マンガであること

まずは、マンガであることです。

うつは正直、重い話です。

そして、医学的にも難しい話です。

一般の人には、なかなか読む気のしない分野の話だと思うのですが、マンガだととっつきやすいです。

そして、絵だとイメージがつかみやすいので、スラスラ読めましたし、比較的難しい話もすんなり理解できました。

2作者の症状は比較的軽症であること

これまで、うつに関しての本は何冊か読んできましたが、みな重症だったと思います。

何日も身動きできず寝込む、
自暴自棄になり自殺しそうになる、
寛解まで何年もかかる、
といった話が多いように思います。

例えば、「ツレがうつになりまして」などです。

それが、作者は2022年の秋にうつ症状になり、その体験記をもうまとめているわけですからね。

ほんの数ヶ月のはずです。

だから、基本的には、うつの本を読むときはズシーンと重い気分になるのですが、この本は気軽に読めました。

3精神科医の監修であること

各章ごとに精神科医の話が差し込まれているので、情報に信頼感があります。

また、本編の中でも、作者の知り合いの精神科医からアドバイスをもらうシーンがあって、これもまたよかったです。


その他感じたこと

知り合いに精神科医がいるのは強い

作者は知り合いに精神科医がもともといました。

なので、治療で悩んだことがあると、その都度聞いているのですね。

うつの最中に辛いのが、症状自体も辛いのですが、何よりも悩みがどんどん出てくることなんです。

例えば、
医者から処方された薬は効いているのか、副作用は大丈夫なのか、
診察も初回は時間をかけてくれますが、2回目、3回目と回数を重ねると短くなってきて、このままでいいのか

などです。

うつ症状に際して、判断能力や思考能力が鈍っているときに、そんな悩みを抱えるのです。暗闇の中を手探りで進んでいるようなものです。

医者のいうことを信じていいんだろうか、それともヤブ医者で違う医者の話を聞くべきじゃないだろうかと、頭の中がぐちゃぐちゃになってしまうわけですから、それはもう苦しいです。

それが作者には、気軽にアドバイスを求めることができる精神科医がいるのですから、とても大きいですね。

暗闇ではなく、少し明るい道を歩いていけるわけです。うらやましかったですね。

曖昧模糊な不安定な状態に耐える事が大事だと思う

これは、最近考えるようになったことですが、世の中にはまだまだ分からないこと、解明されていないことが多いのだから、すぐに分かろうとしないことや結果を求めないことが大事だということです。

科学全盛の時代なので、我々はどうしてもすぐに答えや結果を求めがちです。

この本の中で、精神科医のこんなセリフが出てきます。

まだまだうつ病には分かっていないことが多いのです

これだけ科学が発達しても、人体や脳については、解明されてないことだらけなわけです。

だから、全てに答えや結果を求めることは無理です。

答えや結果が出ない状況は、曖昧模糊として不安定ですが、その状態に耐えることが大事だと。苦しいですけどね。


以上、「誰でもみんなうつになる」という本の紹介でした。


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