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【書評】「流山がすごい」が本当にすごかったpart3

https://note.com/dr4102002/n/na0d346e520acこんにちは、サカモトです。

今回は「流山がすごい」の書評第3段です。

前回までの記事はこちらです。特にpart1でホリエモンの動画を紹介していますが、こちらは本当にすばらしいです。それだけでもぜひ見てほしいです。

そして、part2では流山がいかにすごい街か、その機能面について書いています。こちらもぜひ読んでください。

そして、今回はpart3です。part3は流山の街を作った人たちの人間ドラマについて書いていきます。

この本のすばらしいところは実はここにあると思っています。


作者

まずは作者の大西さんです。大西さんが流山に住むようになったのは1993年のこと。ちょうど30年前です。そこからずっと流山に住んでいるそうです。

こうした街に関する本は今まで色々と読んできましたが、街づくりの当事者である場合がほとんどで、ジャーナリストが書くことはあることはありますが、稀です。

そして、実際にその街に住んでいて、その住人の立場でのエピソードを語るってなかなかないと思いますが、住民としての視点で書かれているので説得力が違います。

現市長

二人目としては、ホリエモンの動画にも出ていましたが、現在の市長である井崎さんです。井崎さんは、元々アメリカの都市開発の会社に勤めていたそうですが、30代の半ばで日本に帰ってきました。そのとき、住む街は都市開発のプロとしての視点でら最もポテンシャルが高い街として流山を選択したそうです。

そのようにして選んだ流山の街のポテンシャルが充分に活かされていないと気づき、市長を目指すことになります。初めての選挙では当然なりませんでしたが、2回目の2003年に市長として当選し、今年の選挙も当選したので、なんと6期目だそうです。いかに市民から信頼されているかが分かります。

アメリカで働いていたからか、市役所の中にマーケティング課を新設し、その課長を民間出身の人材を登用するなど、新しい視点での施策を次々としていきます。優先順位の付け方がうまいですよね。

昨日の記事にも書きましたが、送迎保育サービスなど子育て施策を充実させるだけでなく、「母になるなら流山」というキャッチコピーを作り、それで流山をアピールしていきました。

多分今の流山が、あるのは現市長の井崎さんの手腕であることは間違いないでしょうね。

元市長

市長以外の人の人間ドラマも面白いんですが、現市長以外の井崎さん以外でいくと、元市長の秋吉さんの話が面白いんです。

秋吉さんは、1983年から2期市長をつとめるんですが、現在のつくばエクスプレスが当時の構想では、流山をほとんど通らないルートだったそうです。それを田中角栄に直談判し、ルートを変更し、流山を横断するルートに変えたという話が興味深いです。

「今の時代鉄道は儲からんのだよ」という田中角栄に対して、儲かりますと言い放って、認めてもらう話が特に面白かったです。まるでドラマです。

「先生、常磐新線は茨城、千葉と東京を結ぶ大動脈になります。必ず儲かります!」
角栄がピクッと反応した。
「儲かるのか?」
「儲かります。今ある常磐線は日本で一番混む『殺人列車』と呼ばれています。輸送需要は十二分にあるのです。新線が通れば沿線の住民はさらに増えます。絶対に儲かります」
「そうか国鉄は赤字でも、この新線は儲かるか。よっしゃ、わかった!」
角栄はその場で黒電話の受話器を取り、日本鉄道建設公団(鉄建公団、現独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)や運輸省の幹部と話し始めた。 「ああ、俺だ。今、流山の市長が来ていてな。常磐新線は絶対に儲かると言っている。うん、どうやら本当らしい。市長の話を聞いてやってくれ」

市長と作者以外の人間ドラマのエピソードも面白いのですが、長くなったので、割愛します。みんな街の魅力に魅せられて人材がどんどん集まっているのがよく分かります。


とにかく、この本すばらしいので、ぜひ読んでみてください。

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