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戦前の皇室の婚姻事情がよくわかる、「李王家の縁談」を読んで

こんにちは、サカモトです。

今回は、「李王家の縁談」のご紹介です。

あらすじ

時代は大正時代から戦後まで、主人公は梨本宮伊都子妃です。自分の娘が皇太子妃になりそこねたことを受けて、朝鮮王朝の血筋を引く李王家に嫁がせることを主として、戦前の皇族の婚姻事情を中心に描かれています。

とにかく、主人公の世話焼きっぷりがすごくて、赤ちゃんが生まれると、縁談を考えるくらいです。もともと自分が旧鍋島藩の娘として、幼い頃に縁談を決められて、梨本宮家に嫁がされた経験から家族や親戚の縁談に血眼になるんですね。

読む分には面白くていいんですが、自分が当事者だとしたら相当窮屈だろうなと思わされました。

この本には下敷きがある

この本は下敷きがあって、梨本宮伊都子妃が書かれた日記で、作者はこの日記を読んで想像を膨らませたそうです。

こちらは読んでないですが、どんな感じなんでしょうか。ちょっと読んでみたい気はするものの、この本を読む限り皇室のおどろおどろしいことが書かれてそうで、ちゅうちょしますね。余裕ができたらこちらの本にチャレンジします。

皇室は面子が大事

大正時代、タイトルに有る李王家に自分の娘を嫁がせる話ですが、自分の娘を皇太子妃にしようとしていたのが、皇太子妃になれなくて、このままではまずいとそれなりの家に嫁がせねばと躍起になるんですね。そして、思いついたのが李王家です。

当時、朝鮮は日本が併合して朝鮮王朝は廃止されたものの、実態はどうあれ朝鮮王家は天皇に継ぐ第二位の序列で、皇太子妃になりそこねた娘の嫁ぎ先としては申し分のないとの考え方です。このように、何事にも皇室としての面子を何より大事にします。

この面子を何より大事にする考え方は、個人的には理解できませんが、皇室はこんな感じであっても不思議じゃありませんね。

後半も実は見どころいっぱい

 大正時代から始まり、戦前、戦中そして最後には戦後まで描かれます。戦争がひどくなり、特に最後の方で戦争が厳しくなって、どんどん生活が落ちぶれていくところがちょっと切ないです。元皇室としてのプライドはありつつ、ただ、その自尊心が折られるような生活をおくらざるをえないというところがなんともいえないです。

そして、最後は美智子妃の結婚で湧く世を見て、新しい時代が来たことを悟るというところで、締めていてとてもうまい終わり方と言えるでしょう。皇室の縁談の物語が最後も縁談でしめるわけですからね。

ということで、「李王家の縁談」の紹介でした〜

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