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キチ客だと思ったらホテルマンだった話 その1

はじめに

宿泊先のホテルで我が身に起こった実体験。消費者被害の告発と注意喚起も含めて、また少しでも改善される事を願って、記憶と記録を基にここに記します。

宿泊した部屋(公式サイトより)

1日目

23:30 襲来

ドンドンドンドンドン!!!!!
(ゴンゴンゴンゴンゴン!!!!!)
(ガンガンガンガンガン!!!!!)

ドアを打ち破る様な轟音が部屋に鳴り響く。

夜中に強烈なノックに私たち一家が叩き起こされた。
家族旅行で箱根に来ている。温泉に入ってぐっすり寝ていた最中だった。
時計を確認する。こんな夜中に一体何だ?

あまりにもうるさいノックなので非常事態なのは分かっているが、非常ベルは鳴っていない。寝起きで目は半分しか開かないし上手く頭が働かず混乱している。

ドンドンドンドンドン!!!!!
(ゴンゴンゴンゴンゴン!!!!!)
(ガンガンガンガンガン!!!!!)

再び強烈な5連打がドアにお見舞いされる。

とにかくうるさい。一体何なんだ?
玄関へと向かう。

覗き窓からは人影が写っているが暗くてよく見えない。
ドアロックを閉めて話してみるか、と思いきやドアロックもチェーンも無い…ホテルなのに何で無いんだと思いながら、不覚にもそのままドアを開けてしまった。寝起きで頭が上手く働いていなかった。実況配信でもすれば良かったと後悔している。

「うるせぇんだよ!!これ以上うるさくすると居らんなくさせるぞ!!」

開口一番に大声で怒鳴らり散らす年配で強面の男性がいた。

TVで見るヤクザや警察24時かの様な凄みだゴルァ。
参考:https://www.youtube.com/watch?v=lhe8sRkWh5I

こちらは寝ていたので、怒る相手を間違えた危険なキチ客だと判断した。いくら騒音に耐えかねたとしても、ホテルを通さずにいきなり乱暴に怒鳴り込んで恫喝してくるのはまともじゃない。何よりもお前が一番うるさい。

そんな危険人物だと何が起こるからない。直接関わらない方がいい。そんな事を一瞬の内に考えながら咄嗟にドアを閉めて施錠した。

うわっやべーの来たよ。

「あなた大丈夫だった?」「パパどうしたの?大丈夫?」
家族が心配と不安を口にする。

「うん大丈夫だよ。怖かったよね、ごめんね。危ない変な人が来たからまた来ないようにホテルの人に連絡するから、3人でぎゅーしててね。」

怯える子どもたちを妻に任せて、フロントに連絡する。
全然繋がらない。キチ客の対応でもしてるのか?

23:50 フロント

何度もかけたが20分経っても繋がらなかった。仕方がないので危険を承知でフロントまで直接行ったらフロント係がいた。いるなら出ろよ!

マスクをしておらず手で口元を覆いながら返事をする、フロントマンには見えない当直係に説明した。二度とこちらに変な客を越させないように、明朝責任者から説明をするように伝えた。

深夜 眠れぬ夜

楽しみにしてきた久しぶりの家族旅行。日中は公園でたっぷり遊び、温泉に浸かって9時過ぎには床について眠っていた。寝耳に水の理不尽な出来事に、子どもたちは怯えていて可哀想な想いをさせてしまった。

突然の理不尽な出来事に恐怖と不安と怒りがぐちゃぐちゃになった気持ちがぐるぐると渦巻く。温泉でのリラックスは消え去り、反対に交感神経が高ぶって心身共に落ち着かないまま日付が変わり深夜を迎えた。このままでは子どもたちに悪影響だ。どうにか夫婦で気を落ち着かせ、子どもたちを宥め寝かしてから深夜遅くにようやく寝れた。


2日目

6:00 起床

天気の良い清々しい朝を迎えても気分は晴れず。
当初は楽しみにしていた朝風呂は、もしキチ客と会ったらと思うとゆっくり浸かる気にはなれなかった。言い争っても謝罪を貰ったとしても、余計に不愉快な想いをする事だろう。

8:00 朝食

子どもたちを起こして朝食会場へ向かう中、息子にも「レストランに昨日のいるのかなー?いたらぼくがやっつけてやる!」と言わせてしまった。

この中にいるのか?あそこの人か?あっちの人か?と不躾にキョロキョロと各席を確認してしまったが、それらしき人物は見当たらなかった。

くつろぎの時間を買ったはずが、真逆のストレス状態だった。朝食時に昨夜の説明でホテルから声がかかるものかと思っていたが何も無いことに呆れてもいた。
この時までは食欲があり、朝食を終えて部屋へ戻った。


9:00 は?

「……だったよ!」

せっかく来たのだから、気分は悪いがそれに負けじともう一度温泉へ行き、部屋へ帰ると興奮した妻が何か言ったがよく聞こえなかった。

私「ただいまーどうしたー?何だって〜?」
妻「ホテルの人だったよ!」
私「何が?」
妻「昨日の人だよ!ホテルの人だった!説教してやったよ!」
私「…は?え?…ホテルが客にあんな事したってこと?」
妻「うん、本人がさっき来たんだよ。信じられないだろうけどホテルのフロント係?だったよ」
私「マジかよ…」

危険人物の客かと思いきや、何とホテルマンだった!

事態を理解すると同時に妻同様に一気に興奮し、全身の毛穴が開くような感覚になった。そして怒りが沸騰した。

ホテルの従業員が
宿泊客に対して
事実確認を行わずに
騒音の犯人だと決めつけて
夜中に乱暴に突撃し
名乗りもせずに
開口一番
恫喝した。


夜中に幼児の子連れ家族に対して、追い出す事を前提とした脅迫をホテルがしたのだ。

どんな理由があろうが納得できるはずがない。許せるものか!

突撃する前に宿泊者名簿を見れば小さな子どもがいる事は明らか。
それにも関わらず、夜中に騒ぐのは子どもだと決めつけたのか?
それとも名簿すら確認していないのか?
何でうちを犯人と決めつけたんだ?

騒音元に注意しに行ったとしてもどうかしてる言動と対応だ。しかも相手を間違えてるから更に悪質だ。

事実確認もWチェックもしていないのだろう。
私が昨夜フロントに行った際には別の従業員だったので、夜中に少なくとも2人はホテルの人間が居たはず。

通常騒音苦情に対応する場合には、事前に踏む手順がいくつかあるはずだろう。何もかもすっ飛ばして突撃して恫喝してくるなんて、このホテルはどうなってるんだ?本当にどうかしている。

驚愕の事実に混乱する中、色んな疑問や怒りが頭を駆け巡る。脳内がスパークしている。

「20分後にまた来るって言ってたから一旦待とう」
フロントに抗議しに行こうとする私を妻が宥めてくれて、少し冷静を取り戻す。

続く


宿泊先:四季倶楽部 強羅彩華
ホテル経営会社:株式会社四季リゾーツ

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