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新しい購入体験「オンライン接客」を体験して感じたこと

コロナの影響で、実店舗が苦戦している。

コロナ渦により、今まで以上に「非接触」での接客や体験が求められる時代になっているこの頃。実際に、緊急事態宣言以降は実店舗での買い物が減少しているというデータがあります。その一方で総合ECサイトの利用率は増加傾向にあり、実店舗の利用回数減らした代わりに通販を利用するようになったという声が多く上がっています。

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出典元:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1868.html

私自身も以前より実店舗に行く機会が減り、特に洋服やコスメにおいてはzozotownや@cosme shoppingなどのECサイトでの購入が増えました。

ECサイトでの購入は便利だと思うけれど。

ECサイトで購入することが増えたものの、購入するときに楽しさ・ワクワク・高揚感を感じるのは圧倒的に「実店舗」で商品を購入するときでした。私は店員さんと話すのが好きなタイプのため、その場で接客を受けながらオススメの商品をレコメンドしてもらえることが「購入体験」の付加価値だったのです。また、ECサイトで服を購入するときは失敗することも。実物の商品と写真のライティングなどの関係で、「思っていた色味と違う」「素材感がわからなかった」「モデルだと似合うけど、自分だと似合わない...」など、泣く泣く返品したことが何度もあります。

「購入はECサイトでしたいけど、事前にどんな服やコスメなのかを動画で確認できないのかな」という気持ちに応えてくれるかのごとく、ここ1〜2年でアパレル・コスメブランドの「インスアライブ」を筆頭に、オンライン上で商品をPRしてくれるサービス(通称:ライブコマース)が増え始めました。今回は、私がオンライン接客を受けた体験をお届けします。

実店舗が挑戦する、新しい購入体験「オンライン接客」を体験してみた

接客を受けてみようと決めた商材は「服」。なぜなら、今までECサイトで購入した経験の中で一番失敗(返品)したことが多いからです。涙

フリークストアというアパレルブランドでのオンライン接客を受けることにしました。特設サイトも、ユーザーのインサイトに問いかけていて予約フローもわかりやすく親切。

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フリークストアでは、zoomを使った「1対1」のオンライン接客をサービスとして提供しています。実店舗で働いている店員がzoom(PC or SP )で店舗と予約者をつないでくれ、あたかも「実店舗にいるような気持ちで買い物・接客が受けられる」というもの。

予約の流れ
①接客を受けたい店舗の画面から、オンライン接客の予約ページへ行く

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②店員が接客できる時間帯が表示されるので、希望の枠を選択し、予約する

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自らが能動的に「店員さんと接客を希望する」という予約フローであるため、以下のような心理が働きました。

ユーザー心理
・1対1って、ハードルが高いなぁ
・何か買わないと気まずいかな?
・どれぐらいで終わるんだろう?

今回、接客を受ける上でユーザーシナリオを事前に用意して臨みました。

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予約当日〜接客
接客の当日、登録したメールアドレス宛に、zoomのURLや気になる商品があれば事前に教えて欲しいなどの情報が届きます。時間になるとzoomのURLに入れるので、店舗にいる店員と会話ができます。

実際に利用してみて
事前登録時に名前を登録しておくため、接客がはじまった瞬間に「●●様、はじめまして!」と元気な挨拶をいただき、とても好印象でした。実際の店舗では初見は「お客様」と呼ばれますが、オンライン接客では名前で呼んでくれる。対面で話していないものの、距離が近づいた気がしました。

「何をお探しか、気になる商品はあるか」という問いかけがあり、自分自身で設定していたユーザーシナリオで「秋物のパンツを探している」ということを伝え、事前に気になっていた商品のURLを送りました。

店舗での在庫があるかをその場で確認してくれ、在庫がある場合はカメラ越しに見せたりしながら接客を受けました。接客がかなりフレンドリーであったため、最初こそ緊張したものの、次々に気になる商品を見せてくれるライブ感の楽しさも相まって、「実店舗よりも頼みやすい(いろいろオーダーしやすい)かも」と感じることも。ECサイトでの課題であった、商品の質感・サイズ感(着丈など)・実物の色味などを細かく丁寧に説明してもらえることで、よりリアルな服のイメージがつきました。

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また、実店舗の一角で中継しているため、お店のBGMや他店員の掛け声など、リアル店舗で買い物をしているかのような、ライブ感を終始感じました。

パンツ系に関しては試着しないとわからない部分もあり、その場で即決くく迷っていたところ、「お店でもお取り置きできますし、商品のURLをお送りするので、ECサイトでの購入も可能です」とご提案いただきました。最終的に店舗での取り置きをお願いし、約40分ほどのオンライン接客は終了しました。

よかった点
・とても楽しい(特別な時間を過ごせている感覚がある)
・気になる商品の質感やサイズ・色などのリアルな商品のテクスチャーがカメラ越しでも伝わった(ECサイトのライティングと色が違っていたのを確認できた)
・お店のBGMなど、生の「ライブ感」を感じられ、高揚感があった
・他商品のレコメンドやコーディネート案を提案してもらえ、参考になった
・セール商品など、売り切れる可能性のあるものをその場でお取り置きしてもらえる優越感
・購入意欲がより高まった
気になった点
・やはり1対1で予約時間も決まっているため、気軽には申し込みにくい
・キャンセルしにくい
・接客時間が長いので、いつ終わるかが読めない
・店舗側の通信回線の関係で、やりとりに若干のタイムラグが生じた
・試着しないとわからないものは、その場で即決ができない

一番大きな課題は、「初回利用時のハードルの高さ」でしょうか。
ここを乗り越えられれば、ユーザーにとってもベネフィットのある体験になると感じられました。

後日談:実店舗のロイヤルユーザーを生み出すきっかけになるかもしれない

後日談ですが、お取り置きした商品を試着しに実店舗へ来店しました。
オンライン接客の延長線上のサービスを感じられる場面があり、ユーザーとしても優越感を感じられ、非常に良い体験となりました。

・ゆっくり試着できるように、気を計らって対応していただけた
・2回目の接客のため、スムーズな対応
・お互いに既にファーストコンタクトを済ませた状態のため、話がしやすい

コロナによって「人と人」のコミュニケーションが分断されがちな状況だからこそ、よりリアルに「楽しい」と感じられる体験を得られたときの喜びは今まで以上にあるのかもしれません。

実店舗側での新しい顧客獲得に向け、以下のようなインセンティブを用意しながら、実店舗とユーザーの距離感をつなぎあわせるファンマーケティング的活動は他社と差別化を図る上で非常に重要だと感じました。


オンライン接客を受けたユーザーが購入した場合、次回利用できる特別なクーポンを発行
お気に入り店員からプッシュ通知が届き、定期的な商品のレコメンド

まとめ

顧客のニーズを満たせる人間的な温度感のあるコミュニケーションを行えれば、ブランド・企業側の戦略によってファンを獲得する手立てとなります。今まで以上に便利なサービスが筆頭している中でも、やはり最終的な決め手につながるのは「人と人」なのかもしれない、と改めて感じる体験となりました。

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