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デザイナーとして長くいきていくために必要なこと(持論)

「スキルの高いデザイナーほど、自分が好きなデザインの方向性に持っていきたくなる気持ちが強い。」

誰かのSNSで読みました。今日はこれについて深堀りしたいと思います。

スキルが高い低いは置いといて、デザイナーが自分の好みでデザインを作ることは、楽しいことこの上ないし、それって仕方ないし当たり前ってずっと思ってた。

でも、そうじゃないなと、今は思います。


ある程度のデザインスキルはあるだろうし、センスもあるかも知れない。
それをかたちにしていく作業は絶対的に楽しい。

クライアントの求めるデザインの方向性と、デザイナーが得意な好みのデザインの方向性が合致してればなんの問題もないわけだけど、いわば「感性の押し付け」は、最悪の結果を生み出すという苦い経験を、今までのデザイナー人生で幾度となくしてきました。

「この感じが好き」という個人の感覚を信じて止まないデザイナーは多いし、わたしも好きな感じのデザインに寄ってしまう時もやっぱりある。
でもそれは、自分のデザインに酔ってるだけ、ということであり、デザイナーの個人的な感性を取り入れたいという、エゴでしかないということに気づいた瞬間がありました。

フォントもそう、色もそう、レイアウトもそう。
感性を発揮できるところではあるけれど、それぞれの要素が合わさって、ひとつのビジュアル(デザイン)になる。

クライアントの要望に従ってるつもりでも、デザイナーはどうしても、自分の感性に寄ってしまうものなのかもしれない。


超有名な誰でも知ってるデザイナーであれば、あなたにデザインしてほしい!というクライアントが勝手に集まってくるのかもしれないし、話は違ってくるのかもしれないけれど。
私のような普通のデザイナーはやっぱり、そのデザインになった根本的な理由を伝え、説明して納得してもらった上で、いいね!と言ってもらう必要がある。

そこへきて、「わたしはこういうのが好きだから」という理由では、受け入れてもらえない。というより、それはクライアントに対しての押しつけにしかなりまへん。
でもこういう人、意外と多い。特に、ある程度デザインができるデザイナーに多い。



自己的なデザインをつくる場合を除いて、デザイナーであればクライアントの関係性は無視できません。デザイナーに限らず、クライアントなしでは仕事として成り立ちません。

クライアントじゃなくても、たとえばそれが上司でも同じで。
仕事でやっている以上、デザインの意図を理解してもらえないと先に進めない。


どう伝えるかで、自分が作ったデザインの評価が決まってしまうという現実は間違いなくあって、伝えるスキルを向上することが、デザイナーとして生きていく上で、とっても大事なことです。

もしかしたら、デザインスキルよりも重要かもしれない。
私は現状、デザイン業務上で重きを置いてるのは、間違いなく「伝えるスキル」です。

多くのクライアントはデザインをどう作ったら良いのかがわかりません。
わかるなら、誰でも簡単にデザインを作れるようになった昨今、自分が気にいるように作るはずだし。
でもできないから、デザイナーに作ってもらおう、となるわけで。

だから、聞き出さないといけない。聞き出せないと、先に進めない。

適切な質問をして、クライアントの問題を理解する。
それを聞き出したら、デザインでの解決策を数多く探す。

これができれば、デザイナーとしての生きる道は、長く続くんじゃないのかなと思っています。


せっかく作ったデザインに対して、修正指示が出ることをよく思わないデザイナーーも多いよう。
でもその結果は、そのデザインを作ったデザイナーの、ヒアリング力の低さに原因かあります。

クライアントは悪くない。
この結果を招いたのは、自分(デザイナー)のせいである。

この考え方ができるようになったある時から、仕事が勝手に舞い込んで来るようになった気がしています。

デザインスキルだけでは、デザイナーとして生きていくことは難しくなってきてる気がします。

人として、プロとして、仕事と、クライアントと、どう向き合うか。

超地味だけど、大事なこと。
答えがないデザインの仕事は、どう向き合うかで結果が変わるから面白い。

これからデザイナーとして生きていこうと決めたあなたに、少しでも何かヒントになればこれ幸い。

今日も読んでくれてありがとう。(きす)



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