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建売も、注文住宅も、立地が大事(生活環境編)

住みたい(あるいは仕事や通勤の都合、子供の学校の都合などで)エリアが決まったら、そのエリア内で建てる土地をさがしますよね。どのような場所がいいでしょうか。


街の雰囲気、イメージ

五大都市や県庁所在地のある街ではなくとも、〇〇市というとなんとなくイメージが沸くところがあります。例えば成田市。成田国際空港があることで有名です。横須賀市といえば海軍(アメリカ軍)ですね。豊田市は言わずと知れたトヨタの企業城下町、神戸市はハイカラな港町、尾道は映画や文学の街、佐世保市と言えば軍港、造船でしょう。
住みたいエリアにはそのような特色がありますでしょうか。あるとすれば、ややもすれば街全体でそのようなイメージを共有することになり、それがプラスに働く場合もありますが、マイナスになることもあるかもしれません。強烈なイメージがある街というのは、多かれ少なかれそれが街に住む人の個性とリンクするということがあります。その街のイメージが好きでそこに住むのはいいと思いますが、知らずに住んでみたらそのイメージが生活に合わなかった、ということにならないようにしたいものです。

また、都道府県の中でその街(行政単位)がどのような役割なのかも考えたほうが良いです。政治の中心なのか、商業地区なのか、(都道府)県内の観光資源なのかベッドタウンを担っているのか。例えばこれから子育てが本格化という世代であれば、文教が集中する地区のほうが良いでしょう、将来は脱サラして起業、なら商業が盛んな街にしたほうがいいでしょう、とかそういうことです。

福祉や医療、文教の充実度も生活には直結します。候補のエリア(沿線や職場までの距離など)がいくつかの自治体にまたがっている場合、自治体ごとに施設や制度の充実度が違いますので、しっかり調べたいところです。特に長く住むことを考えると、現在の充実度よりも20年30年後にまだ充実していそうか、と未来を考えることが大事です。過疎が進みそうな自治体では、いずれ現在の施設や制度を維持できなくなるだろうと考えられますし、大規模なニュータウンでは流入が多い時期(あなたが買おうとしているのがそういう時期だと注意が必要です)に最も施設や制度が充実しているものです。日本の多くのニュータウンが、開発後30年から50年くらいで高齢化、買い物や医療の難民化しているので、今は良くても将来的にそのようにならないとも限りません。

治安と騒音

治安は大事です。街には繁華街が集中しているエリアがあります。たいてい、そのようなエリアは治安が悪いです。一見、お店が多くて便利そうだと思うようなところでも、どのようなお店があるか見てみてください。通りを一本へだてて、治安が良い地区と悪い地区が隣接しているということもよくあります。夜に開いてるお店が多い、というのはそれだけ需要があり、そういう需要を満たしに人が集まるということです。長く住むには適さないでしょう。
そのエリアの土地鑑が無い場合には、治安については、各都道府県警の発表する治安情報が役にたちます。
自転車の窃盗が多い場所は若い人が多いと考えられます。
車上荒らしが多い場所がそれなりに人家のある場所であれば、その周辺は治安に不安があります。
空き巣や事務所荒らしが多い場所は、リスクに鈍感な地域かもしれません。自分自身の治安に対する意識が高くとも巻き添えになるかもしれません。
これらのマップを見るときには、人口に対する事件の数を考えるといいでしょう。このあたりは人口が多いはずなのに意外と事件が少ないな、というところを探しましょう。
例として、埼玉県警の犯罪マップのリンクがこちらです。各都道府県にありますよ。
事件事故発生マップ-埼玉県警察

騒音については、最近の住宅は防音性能が上がったとは言え、無いほうが良いものです。
幹線道路沿い、線路沿いというのは日常的に騒音が発生します。踏切が近いと遮断機の音もあります。このふたつの騒音のもとは、振動も併発するため、生活に与える影響が大きいです。よほど鈍感か、我慢強い人でない限り、どうしても気になるものです。
すぐ隣がコンビニで深夜でも声がする、などというのは、人によってはかなりの騒音と言っていいでしょう。もちろん出入りする車のエンジン音、夏冬だとアイドリングさせたままということも多いと思います。
細かく言えば、すでに土地が余ってない状態だと、隣近所にコンビニや24時間営業の何かができるということは考えにくいのですが、今から開発していくところで明確に宅地分譲となってなさそうなところでは、近くに何ができるかわかりません。コンビニやスーパー、ドラッグストアが至近で便利というのは、そこに出入りする不特定多数の人とその車、そして夜間では音や光が付きまとうというデメリットとトレードオフです。

光害

最近聞くようになった言葉です。こうがい、と読むのかと思っていたら、ひかりがい、と読むそうです。
光害は読んで字のごとくですが光の害なので、主に夜間ということになります。最もやっかいなのは、電光掲示板(デジタルサイネージとか言うものです)のようなものが高いところに設置されている店舗が目の前や隣にある場合、24時間、その輝度の高い光が窓の外に光るということになります。
24時間営業のお店(コンビニなど)も、その看板は24時間、明かりが点いています。夜遅くまで営業している店も同じです。
ロードサイド店舗が並ぶような大通りから入った住宅街というのは、奥のほうに入らないと、静かで落ち着いた住環境とはなりません。背の高いロードサイド店舗の光る看板は、けっこう遠くまで見えるものです。それは逆にその光がけっこう遠くまで届くということです。ただ灯っているだけならまだしも、点滅したり映像が流れてたりするものは、かなり気になるものです。
店舗などの無い住宅地の中でも、信号のある交差点というのも、光害のひとつです。信号は24時間点灯しますし(しかも色が定期的に変わります)、信号待ちの車のヘッドライトがあたりを照らします。壁などでの目隠しに失敗すると、シャッターの開けられない家になりそうです。もうひとつ、最近聞くようになった光害のひとつが太陽光パネルです。住宅の屋根に設置されるものではほとんどトラブルは聞きませんが(それでもたまにあるようです。施工業者はちゃんと計算して欲しいところです)、空き地に設置するタイプのものでは二階の部屋に反射光が当たるなどというトラブルがあるようです。場合によっては、火災の原因になりますので、注意が必要です。

伝統行事やローカルルール、そして観光資源

さほど大きくない自治体なのに、お祭りなどの伝統行事が有名というところがあります。そのようなところだと、地元民はもちろんのこと、新興住宅街に越してきた人もお祭りのときにはお手伝いで強制参加というところが少なくありません。そういうものが大好きという人は良いでしょうが、時間を取られるのが嫌だとかしがらみが苦手だという人には大変な苦痛です。どの程度参加を強制されるかというのは事前に聞き込みをすればわかりますので、調べたほうがいいでしょう。
ローカルルールというのも、例えば消防団が有志ではなく持ち回りになってるとか、川沿いの土手一面に花を咲かす活動に参加させられるとか、場所によっては明文化されてないが皆そうやってるので、というようなものがあります。これも、参加することに抵抗が無ければ良いのですが、住み始めてからアレもコレも参加ね、ということになると大変に思うので事前に調べましょう。
観光地である場合、観光資源がある場合には、一年中、あるいは特定の時期にたくさんの人が押し寄せます。オーバーツーリズムなどという言葉を最近聞くようになりましたが、観光公害とも言われます。生活に不便が生じるほどに人が来たり、観光客の物質的な加害(ポイ捨て、不法侵入など)があったりするようなことは、その場所特有のものなので、これも現地調査をすればわかります。

結論:人によりですが、長く住むのですから大きなストレスが無いのはもちろんプチストレスが無い場所を

以上、エリアが絞れたらそのエリア内でどこがいいか考えましょうという話でした。
人により、便利には代えられないからスーパーやコンビニやロードサイド店舗の隣がいいんだ、という人もいるでしょうし、あの観光地が大好きでそこに住みたいんだ、という人もいるでしょう。
しかしながら、このくらいの欠点なら我慢できるな、と当初考えたことがプチストレスになって、後々それが積もり積もって「ああ、やっぱり違うところが良かったな」とならないために(なったとしても、土地を買ってしまうと住み替えはなかなか大変ですから)、最初にしっかりと、じっくりと場所選びをしましょう。
かく言う筆者も、二軒目の家でかなりのベスポジを見つけたということで、裏をかえせば一軒目の家ではいろいろプチストレスがありました。
ずーっと「ああ、やっぱり違うところが良かったな」と思わずに済むように、しっかりじっくり探してくださいね。


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