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【25】最近の心境の変化と現状報告【日本酒業界の課題と解決方法】

こんばんは。私の住む街には『鳥類センター』という、鳥専門の動物園があります。見たこともないような珍しい鳥もいて、たまに行きたくなるんですよね。その中でも強烈なのが『糞爆弾ロード』。金網みでできたアーチ型のトンネルの上には何十匹もの孔雀がいます。いつ糞が降りかかってくるかわからないハラハラ・ドキドキのアトラクションです。

鳥以外にもペンギンや猿、義眼のキツネなど哺乳類の動物もいます。

トイレの場所を探す、ムチムチの頃のピカチュウもいます




さて、起業を決意して2ヶ月半ほど経ちました。HUNTERCITYの仲間との出会い、マーケティングの勉強、酒業界における現状把握、そしてアウトプット活動・・・
自分で言うのもなんですが、成長して強くなりました。その中で少しずつ考えが変わりつつあるので、今思っていることをここに綴っていこうと思います。

起業を決意した2ヶ月半前の自分

▲一番最初に書いた記事。起業を決意する理由を記しています。

簡単にまとめると
○自分の住む故郷のことを何も知らないと気づく
○そういう人は、たくさんいる
○酒蔵で働く中で酒業界は斜陽産業であると知る
○いろんな人に地元の良さを感じてほしい
○もっと自分を試してみたい
○起業して酒業界を盛り上げたい!

当時は、勢いで起業を決意し、地域活性についてもどこか「少しでも地元に貢献できたらいいな」という希望のような感覚だったと思います。

しかし、この2ヶ月半で起業に対する考えは、より強いものへと変わりました。


私が変えずに誰が変えるのか?

はじめに
私は現在、地酒蔵で勤めています。日本酒といっても大手のメーカーもあれば、家族のみで経営している小さな蔵もあります。
以下の内容は、中小酒蔵についてのお話です。


日本酒は誰が飲んでいるのか?

日本酒の国内の消費量はピーク時の3分の1になる一方で、輸出は過去最高の金額となりました。

国内の酒の消費は年々需要が減り、さらにコロナが拍車をかけ低迷しています。若い世代は、全体の酒の消費量は減っているものの、チューハイなどの低アルコールの飲料は増加傾向にあります。

なぜ若者は日本酒を飲まないのか。

以前、低アルコールと日本酒の違いを考えるためにスーパーなどの酒売り場を分析したことがあります。
そこで気づいたのは、低アルコールは『わかりやすさ』『手軽さ』『酔いにくさ』がポイントであることがわかりました。

その背景には、昨今のインパクトやわかりやすさを求めるSNS文化が低アルコールにも反映しているのではないかと推測します。

低アルコールと日本酒の違い

日本酒にはすべて×にしましたが、このデメリットも実はメリットであることを忘れてはいけません。
例えばビンの使用は、SDGsが叫ばれるずっとずっと昔、100年以上前からリターナブル瓶として繰り返し使用されていました。
だから日本酒はほとんど同じビンで、たまに傷だらけの汚い瓶があるわけです。
また、冷やすだけではなく温めたり、熟成させて味の変化を楽しめたり1本で色々試すこともができるところも魅力のひとつだと思います。

話は戻って今日、日本酒をメインで飲んでいるのは、40代以上。では、今後10年、20年経った時、国内の酒文化はどうなっているのだろう・・・
飲食店のメニューもかろうじで残っているくらい。父の日のプレゼントの代名詞の「お酒」は消滅?!

考えただけでゾッとします。

何故このようになってしまったのか考察します。

日本酒が低迷してしまった原因

法律によって新規での酒蔵は造れない
お酒は酒税を納める義務があります。酒造免許は国税局の認可により製造を許可されていますが、現在は海外向けの製造や、既存の蔵の合併や増築などの理由以外での新規の製造免許は許可されていません。
なぜならば、これ以上増えると需要と供給のバランスが崩れ、既存の酒蔵の製造量が減ってしまうからだそうです。
そのため純正の日本酒は製造できないので、クラファンなどでよく見る若手の新規参入の人(蔵)たちが造る日本酒は、よく見ると日本酒にフレーバーやエキスなどが入っています。これにより品目が『日本酒』ではなく『その他の醸造酒』として製造しているのが実情です。

私はこれこそがお酒がビジネスとして競り合うことなく発展していかない原因の一つだと考えています。

②20〜40年前のマーケティングで止まっている
フィリップ・コトラーが提唱するマーケティング理論で言うならば、ほとんどの酒業界は、マーケテイング2.0、3.0で止まっていると思います。もちろん、全てではありません。

コトラーのマーケティング理論
マーケティング1.0(産業革命 1909-1960)・・・薄利多売
マーケティング2.0(1970-1980)・・・買い手のニーズを満たす製品
マーケティング3.0(1990-2000)・・・製品だけではなく、社会貢献などによりブランディングを効果的に行う
マーケティング4.0(2010-)・・・SNSの普及、自己実現、個人へのアフターケア(購入後のことも考える)
https://note.com/dpdecp_dx/n/n73c58e513761

一般的な酒の流通は”酒蔵→(問屋)→酒屋→飲食店or消費者”の流れです。
酒の商品説明や魅力を伝えるのは酒屋の役割でした。しかし、ECの普及と酒屋自体の店舗数と売上の低迷により、これらは成立しなくなりました。

現代におけるマーケティングは、顧客とともに企業や商品価値を高め、モノ(酒)を売るところがゴールではなく、商品が顧客を使用するところまでの導線を考えて、お酒が口に入るところまでがゴールと考えなければなりません。
酒蔵は従来の方法で、酒屋に魅力を伝えてもらうことが正義だと考えている部分は少なからずあると思います。

これは私の地元だけかもしれませんが、【酒蔵】ー【サプライヤー】ー【顧客】の繋がりがとても弱いです。というか、関係が歪んでいる(笑)
だれかがエラいとか上下関係とか関係なく、みんなで共に築き上げなければ、衰退の一途を辿るのは必至です。
逆に言えば、これらを打破できれば明るい未来があるわけです。

だから私が今やらなければならない!

上記のソリューションは、口では簡単に言えますが、正直世の中を変えるくらいの規模でするなら、かなり難しいと思っています。言葉では表せないほど業界の関係性や歴史には色々と根深いものがあるからです。

それらを解決できるのは、これからも酒文化を継承したいという人並み以上の想いと酒蔵で働いた経験のあるが私だからこそ、できることだと思っています。

酒蔵、酒屋、飲食店、飲み手。四者全てに恩恵のある形で地酒の魅力を発信することが私の使命だと思っています。


今できることはなにか?

とは言っても、お金もなければ発信力があるわけでもない。すぐにできることとして、こうやってnoteに書いているわけですが・・・

お酒の消費量が減ることは、当たり前ですが酒屋・酒蔵に影響します。もっと辿れば、酒米を生産する農家さんにも影響します。

※※以下の内容は、飲みの席や他愛のない会話の中での情報なので誤りがあるかもしれません。今後、たしかな情報を入手します※※

酒米は予め必要な数量をJAに伝え、それに沿って農家は作付けします。酒米は、酒造りにしか用途なないため、言われた分だけしか作りません。
海外の輸出が増えているから問題はないと思うかもしれませんが、それはほんの一部で比較的大きな酒蔵に限ります。

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酒業界の救世主、そしてライスワークとしての甘酒事業

国内での酒離れは認めなざるを得ない現状の中で、何か私にできることはないか・・・色々考えた末、思いついたのが酒蔵がつくる甘酒です。

麹の甘酒は、米からできておりノンアルコールで『飲む点滴』と言われるほど、栄養満点なドリンクです。
長時間のデスクワークや体を動かした後、二日酔いの時などに試しに飲んでみてください。体に良いのが飲んでいてわかるほど、身に沁みます。

アルコールが飲めない人でも、酒業界に貢献できるのが甘酒なのです!

甘酒市場は健康志向の女性を中心に年間230億ほどあります。こんなにすばらしい飲料ですが、一つ欠点があります。それは「気軽ではないこと」です。発酵商品のため日持ちが開栓後1週間しかなく、要冷蔵である点です。

私は需要の高い甘酒で酒業界を守り、そこで獲得した資金と影響力を使って最終的に日本酒の魅力を発信する仕事に繋げたいと考えています。
しかし、普通の甘酒では面白くない。
そこで、既存の商品と差別化するために、日持ちもして常温保存が可能な甘酒の商品開発を現在、行っています。
パウダー化やレトルト・・・色々試しているところですが茨の道で正直、苦戦の日々が続いています。。。


今後の甘酒事業の選択

現時点での選択肢が3つあります。

①ストーリーを重視し、従来型の甘酒で販売する
日持ちや常温保存は諦め、地元の食材などを添加するなど、ストーリー性重視。

②諦めず、レトルトの商品開発を続ける
ひとつだけレトル化が成功する可能性の高い方法があります。超高温加熱処理という方法で、120度以上で1〜3秒で火入れするものです。これは、牛乳などの処理に使われている機械で、大手メーカーなどが使う大変高価で機械を設置するために場所と人が必要となります。
今、メーカーに委託できるところはないか問い合わせているところですが、正直かなり厳しいと思っています。

③他の方法を考える
粉末、レトルト以外の方法を考える(顆粒タイプ、フリーズドライなど)



できたらレトルトで、すぐに飲めるRTD飲料として展開したいです。日持ちがし、常温保存が可能であれば、他商品との差別化はもちろん、海外市場も視野に入れることができるからです。

業務委託が不可能であれば、自分で購入しなければならないのか?!そうするとスタートアップ?!
すごく大きなビジョンになってきました。


以上、ありがとうございました。
これからどうなるかわかりませんが、温かく見守っていただけると幸いです。




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