映画「鬼平犯科帳 血闘」感想
オープニングからよかったです鬼平。当時のテレビシリーズをそれほど覚えているわけではないのですが、やはり中村吉右衛門のイメージは非常に強くて最初は違和感がありました。とはいえ金さんだって拝一刀だって何人もの方が演じていらっしゃいますのでまあそういうもの。
どちらかというとコテコテの時代劇的会話に古くささと懐かしさを感じ、それは非常に安心できるものでもありました。むしろ強調しているのかも?川や竹林のセットっぽさなどは仕掛人藤枝梅安とくらべるとオールドスタイルを強調しているようにとれなくもありません。
そして特筆すべきは悪役のよさですね。網切の甚五郎が光りまくっていました。ガッハッハじゃなくてグッヘッヘと笑う感じ。でもぜんぜん小物ではない。役者さんがバチっとハマっているというか、とにかくよかった。
土壇場の勘兵衛もあのやさしいお父さん役しか見たことないような役者さんがこんな悪役を!という驚きもありながら単純に悪役として良いという感想。観ればわかりますけどこういう悪役がまたいいんですよ。コワモテならいいってもんじゃない。
殺陣もよかったですね。これは良いところをあげるとネタバレになるかもしれないので控えます。
とにかく去年の藤枝梅安よりも上の年齢層をターゲットにしたのか、それとも今の時代の全年齢にこれをぶつけてきたのか、いまの時代劇としての試行錯誤も感じる意欲作だなという印象。折り重なった因果のやりきれなさみたいな味をこれからも期待しています。
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