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今月のマフィン(2023.9)

9/2(土)
・紫にんじんとルイボスティーあんこ

鎌倉の市場に並ぶにんじんは色とりどり。東京ではお目にかからなかったものばかり。

紫のにんじんは、紫いもに近い独特の渋みがある。ねっとりしていて普通のにんじんとはひと味違う。
砂糖でグラッセにして、スコーンの上にのせてみた。合わせたのはルイボスあん。にんじんに合うものは、と厨房を見回していてふとルイボス茶葉と目が合い、細かく攪拌してあんこに混ぜてみた。紫にんじんの雰囲気が、なんとなくエキゾチックな香りに合う気がして。
ただ、茶葉をあんこに混ぜ込むのは少し口当たりが悪かったかも。次は生地に混ぜ込もう。


9/12(火)
・にら味噌クリームチーズ

スッと細くてまっすぐ伸びたニラが市場に売っていた。生で食べてみたらすっきりした辛み。にら味噌、という言葉が頭に浮かんでそれにしようと決めた。そのままざくざく刻んで生地に混ぜ込み、甘くした味噌だれとクリームチーズを包んだ。ニラまんじゅうみたいなイメージ。ニラのスコーンは意外にも、この日一番の人気だった。ニラ好きは多い模様。


・枝豆ディルサワークリーム はちみつ

枝豆とサワークリーム のマフィン(と、とうもろこしとマスカルポーネのマフィン)を夏の間に作ろうと7月頭から考えていた。気づいたら夏の終わりになり、慌てて作った。
枝豆は少しもったりしているから、鋭いサワークリーム が合う気がする。マスカルポーネより。
ディルとにんにくを少し入れたサワークリーム を合わせて、オーブンに入れる前にふと思い立ちはちみつをひと回しかけた。これが良い仕事をしてくれた。

9/16(土)
・青唐辛子とひき肉

やってしまった。この青唐辛子の辛かったこと。
前夜に青唐辛子とひき肉炒めを仕込んでいて、味見をしたら火を吹きそうになった。たっぷり2袋を刻んで入れていたけれど、5分の1くらいに減らした。それでも辛い。ひき肉の油まで全部辛くなっている。
やめようかなと思ったけど、マフィンの生地に混ぜ込んで焼いてみた。味見をしたら、やっぱり辛い。けど美味しい。
思い切って、辛いので買わない方がいいかもしれません、とお伝えしながら販売した。

お客さんがみんな、ちょっといたずらっぽい顔でニヤッと笑って買って行ってくれた。試してみます、と言いながら。その顔がなんだか良かった。

ここに来てくれるお客さんは、新しい味の刺激を求めている方が多いなと思う。
だからこんな挑戦も、楽しんで持って帰ってくれる。

こういうやりとりができるお店になってきてるんだなあと、思いがけず青唐辛子の激辛マフィンで気づかせてもらった。
ありがたい。

後日、何人かのお客さんから「あれはかなり辛かったね!よくやりましたね」と言われた。ごめんなさい。辛かったですよね。。


9/20(水)
・黄にんじん塩白あん


毛むくじゃらの力強い黄にんじんが売っていて、これはそのままグリルして食べたい、と思った。シンプルにオリーブ油と塩で焼くのがいちばんおいしい。
大きめに切って焼いて、生地はつなぎ、くらいの存在感に。成形しながらも野菜をこねているようで面白かった。
もうひとつ何を合わせようかと思い、クリームチーズと迷ったけれど、さらに存在感の薄い(けれどにんじんを引き立てる)ものにしたくて白あんに。塩を多めに入れた塩白あんを薄く生地に伸ばして、にんじんのアシスト役にした。

最近、野菜がおいしいので組み合わせがどんどんシンプルになっていく。doyoubiに来てくださる方は、組み合わせを楽しみにしてくださるけれど、
野菜の味を消すような組み合わせにはしたくなく、塩とにんじん、みたいなスコーンが作りたくなる。
組み合わせが面白い店じゃなくなっても、お客さんは来てくださるだろうか。
野菜が引き立つマフィンが作りたい。

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