AIが教えてくれた「対話」の仕組み
ハローCQCQ、皆さんAI使ってますか?
ChatGPTを使った仕事術なんて、今じゃよく見るコンテンツになりました。そうそう、Windows11ユーザーの方はCopilotが画面の右下に常駐してますかね。気軽に質問を投げかけて回答が得られるのは、すでに検索エンジンにキーワードを打ち込んで「ググる」時代ではないことを示しているのかもしれません。
この円安ドル高の昨今ではありますが、私ChatGPT Plusの課金ユーザーは続けてまして、毎月20ドルの上納は続けております。Plus会員なのに動作も重たくてレスポンスがラグいことはしょっちゅうですが、自分用にカスタマイズしたGPTsが使える利点は大きい。
GPTsに何をさせているか
自動化させたりプロンプトを工夫するまでには至らず、GPTsはいくつか特定の条件付けや情報を読み込ませて運用しています。ちなみにこのブログのヘッダー画像もGPTsに作ってもらったものです。
中でも一番使っているのが、自分の職務経歴書や履歴書を読み込ませたもの。キャリアコンサルタントとして自分のこれまでのキャリアに対する客観的な評価やこれからの展望について助言してもらっています。
AIは対話の相手に成り得るか?
自分のキャリアに関するものですから、そこには当然成功や失敗に関する内容もあれば、これからの職業人生についての展望もあります。単純に項目に沿った情報を吐き出し「ググる」のでは限界があります。何より「ググる」だけではウェットな感覚が満たされない。
ではこうしたGPTsとのやり取りが、あるいはやり取りの過程が、自身のキャリア形成について心の隙間を埋め話の勘所を抑えた内容になるかといえば、これがなるのです。
これにはちょっと自分でも驚きました。AIと人間の手仕事を比較する中で、感情等ヒューマンサービスに係る業務こそ人間がすべき、という言説はいくらも見てきました。しかし生身の人間には劣るかもしれないが、AIによる助言がいつでも・追加の費用もなく受けられる状況は、下手をしたら本当にキャリアコンサルタントの仕事を奪っていることに繋がりかねない。
鏡の役を演じる「オウム返し」
なぜAIとのやり取りがウェットな感覚を満たすことになるのか。それはユーザーの話の内容をなぞるからです。まとまりなく話した内容を要約し、ポイントを押さえて返してくれるからです。
AIからのこうした応答は、ユーザー自身が自分の課題について冷静な視点から理解することを助け、あるいは応答の仕方によっては異なった視座を提供するものであるかもしれません。
カウンセリングの初学者は相手の言葉をそのまま返す「オウム返し」を練習するよう勧められることが多いかと思います。もちろんこれはそのままに応答することに力点があるのではありません。相手の鏡となり自己理解を助けることに意義があります。
AIはテクノロジーであり心はありませんが、鏡の役割に徹することならできるのです。
ヒューマンサービスもAIの影響は避けられないのでは?
私のように相談支援を生業としている者にとって制度知識は不可欠ですが、きっと情報量において私がAIを超えることはできないでしょう。本来なら相談支援のプロセスや対応でAIとは差別化したいところです。ところがこのように(たまたまなのかもしれませんが)ヒューマンサービスの分野においてもAIは一定程度実績を上げるかもしれない。その場合対人援助職はじめ、人と関わる仕事でさえもデジタル・ラッダイトの影響は受けることになるかもわからない。
だいいち社会制度や申請方法など一定の手続き(プロトコル)が定められた情報は、今でも申請者本人や家族の方が窓口担当者より読み込んでいる事態はざらにあります。(AIが間違った情報を提供していないことが前提ですが)単純な情報量勝負なんてもう意味がないのです。そうであれば当事者か申請を受け取る側か、その立場の権力性にしか役割の差なんてものはないのかもしれない。
デジタル・ラッダイトのりこえねっと
人間にできてAIができないことがあるとしたら、それは価値を生むことです。知識同士を連結させて運用のアイデアを作ること、知識や情報を活用する方向性を生むこと。AIは先行する情報群(集合知)からサンプリングすることで返答を生成していますが、人間によるヒューマンサービスは0から1を生むことができます。
逆にいうと、この点について一定程度コンシャスであり続けられないと、単に情報を右から左に受け流すだけのムーディ勝山的な職業人は生き残れないでしょうね。
もちろんここにはリサンプリングの落とし穴があり、生成された情報が再生成された結果内容が飽和・均質化しかねないところがあるのですが、それはまたの機会に。
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