糖質制限食で筋肉は増えるのか?

4年ほど前に私が書いた論文の一部を記事っぽく書き直しただけで申し訳ですが、要点は「脂質とコレステロールが筋肥大にどう作用するのか」です。

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糖質制限食では、脂質摂取量がその他の食事法と比較し、圧倒的に多くなります。つまりそれは、アラキドン酸や、コレステロールの摂取量も増えるということです。そして、アラキドン酸とコレステロールには、筋肥大を促進する作用があることが分かっています。アラキドン酸は、エイコサノイド(PGFE2やPGF2α)の前駆体となりますが、これらのエイコサノイドは、トレーニング後の筋タンパク合成作用を増加させ、IGF-1の発現を強化し、サテライト細胞(通称「赤ちゃん細胞」)の融合を促し、テストステロンの受容体合成を促進することが分かっています。また、レセプターだけではなく、50日間、1000mgのアラキドン酸を数十名の男性トレーニーに摂取させたところ、総テストステロンの増加が起こったという研究も存在しています。更に、1500mgのアラキドン酸を8週間摂取することにより、プラセボ群に比べ、ベンチプレスやレッグプレスなどで遙かに高いパフォーマンスを上げ、除脂肪体重も1.5kg増えていたというタンパ大学の研究、「X-Factor」というアラキドン酸サプリメントメーカーが資金提供を行った研究では、1500mgのアラキドン酸摂取により、除脂肪体重が2.9%増加、8.7%の上体の筋力増加、結果が得られた研究が存在しています。

 コレステロールにおいては、食事から大量に摂取することにより、筋肥大が促進されることがわかっています。60歳から69歳の男女49人を対象に、高強度筋力トレーニングを12週間行わせた研究では、コレステロールを多く摂らせた方が、顕著に除脂肪体重の増加と筋力の増大が見られています。

除脂肪体重1kgあたり2.2~3.5mgのコレステロールを摂取していた群は
除脂肪体重の増加が0.1kgに対し、7.2~10.3mgの群は2.5kg。筋力に関しては、ほぼ倍の伸び。

 以上の根拠から、アラキドン酸とコレステロール摂取量の増える糖質制限食は、筋肥大にとって有益な食事法である可能性が十分考えられます。

上記の研究結果は、特にインスリンの作用を前提としていたりはしないので、書いた通り糖質制限下でもしっかり再現性がある話なのですが、別に多少太っていいなら、糖質もアラキドン酸もコレステロールもしっかり摂っていけば、最強に筋肉増える可能性大なわけですね。実際私も20代の頃はそういった食生活でバルクアップをしていました。つまるところ、好き放題食ってただけですが。

クリーンバルクがトレンドではあるし、毎年コンテスト出るような方の場合はあまり太るのもよくありませんが、20代トレーニーは特に、まずは強く大きなカラダを作ることが基本だと私は思いますね。

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