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歴史書を読んで考える

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歴史に関する書籍を読んで、思いついたことを徒然に書き連ねています。
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記事一覧

宮崎史学から見た日本史の時代区分

 宮崎市定は、「古代」の特徴を都市国家又はその連合体に、「中世」の特徴を貴族制という地方…

グローバルヒストリー 文春新書の2冊

 たまたま、文春新書で、グローバルヒストリ関連の本を2冊連続して読みました。 ① 近代初…

日本中世の実相の研究はここまで進歩している

偶々、連続して(直感に従って)読んだ、日本史関連の新書のラインナップです。 「大化の改新…

小松裕「『いのち』と帝国日本 日本の歴史14」

全集 日本の歴史 第14巻 「いのち」と帝国日本 p352  戦争による犠牲者も、公害やコレラ…

新しい戦国大名の経済流通政策論の萌芽への期待

 普通、東国の戦国時代と言われれば、武田信玄と上杉謙信、あるいは伊達政宗のような、講談の…

外貨を「稼ぐ」 ことの意味は?

 外貨とは、なんなのか?それを銀本位制が当時の明に及ぼした影響についての歴史的論考を踏ま…

日本の会議運営の歴史をたどる中公新書3冊

 歴史的に政治権力の在り様を分析するときに、会議の在り様を具体的に把握することが大事だと、つらつら思っていました。  今回読んだ中公新書の「三条実美」は、明治維新初期の新政府の大臣会議の在り様を垣間見ることのできた良書です。  タイトル通り、維新期の政治家として割と影の薄い三条実美の伝記的なものですが、正直、幕末期までを扱う3章までは、私の好みや期待にかなうものではありませんでしたが、明治新政府の「首班」となってからの時期と、そこから静かに退場していく時期の、4章、5章は

特に時代の転換を画すものではなかった、「楽市」政策の虚飾を剥ぐ労作

 何かにつけても、「時代の転換点」「時代の画期」と言いたがる人がいる。  しかし、歴史研…

メディア・イノベーション時代の「落とし穴」

 「慶安の御触書」という根拠薄弱な存在が「信じられてしまう」ことと、メディアのイノベーシ…