見出し画像

絶対 ”スクエア” 感

聞きなれない言葉かもしれませんね。
もしかしたら僕が作った言葉かもしれません。
今日は、「ど」が付く、マニアック路線です。究極かもですw

ただ、これが、クラブを作るうえで第一に必要なことと考えています。
また、クラブを見極める上でも、あった方が良い感覚と考えています。

言葉的には、音楽の絶対音感みたいなイメージですが、それよりもどちらかというと美的感覚に近いかもしれません。
絶対音感みたいに生まれ持ったものではなく、もちろんセンスは必要ですが、たくさんのクラブを見て触れたり、いろんなクラブを作っていくうちにこの感覚は研ぎ澄まされていくものと考えています。
もしくは、同じクラブを長年使っているうちに、違和感を排除する能力として掴んでいくものかもしれません。

具体的にはどんなことかというと、クラブをライ角通り、もしくは設計値通りに座るように構えた時に、フェースがどこを向いているのかがよくわかるという感覚になります。

自分の中の「フェースがまっすぐに向いている」と、打ち出したい方向の「まっすぐ」が一致していると言ってもいいでしょう。
その感覚を、僕の中では、「絶対スクエア感」と呼んでいます。
この感覚があることによって、構えた瞬間に、このクラブはフェースが左を向いている!とか、右を向いている!というのがわかり、人によっては違和感になるというものです。

少し、イメージがわいていただけましたでしょうか?

「スクエア」という言葉を使うので、まっすぐに見えるという能力と考えがちですが、そうではなく、
「スクエア」が感覚としてわかる = 「まっすぐがわかる」
と表してみてはいかがでしょうか?
そのため、スクエアじゃない部分があると気になる、みたいな感じです。

世の中に売られているクラブは、そのクラブごとに様々な狙いがありますから、すべてのクラブがまっすぐに構え易くなっていなければいけないとは言いません。
しかしながら、少なくとも、狙った方向に打ち出すためには、構えた時に、クラブがどこを向いているのかは重要ですし、それを意識する必要があります。
なので、それがわかりやすいクラブや、見えやすかいクラブの方が、扱いやすいと考えています。

よくプロが使う言葉で、”このクラブは座りがいい”は、こういうことも含んでいます。
逆に、どこを向いているのかわかりにくいと言ったりします。
座りがいいと、結果をイメージしやすく、逆の場合、違和感にしかならないので、その違和感のままスイングをするとスイング自体にも影響し、結果も思った通りにならないというふうにつながっていきます。

この感覚が狂ってしまうと、錯覚に惑わされてしまったり、まっすぐに向いているのに、違和感を感じて、構え方を変えてしまったりすることもありますので、結構危険なんですよね~

そんなのわからないし、意識したことない!という方も多いと思いますが、人間には、このバランス感覚がもともと備わっていますので、本人が気づかなくても、無意識のうちに違和感のまま構えていることも多々あります。

そして、クラブを作るうえでは、この感覚は非常に重要です。
ですが、きちんとまっすぐに見えるように作るというのは、非常に難しくもあります。

たとえば、ドライバーのヘッドを真四角な立方体で作ったとしましょう。
一見すると、角はすべて直角だし、面はすべてまっ平だし、これこそスクエアに見えるでしょう!となりそうなのですが、、、

四角い箱状のヘッドだと逆に左を向いて見える

実は、これをフェースアングル0度になるように構えたとしても、まっすぐには見えず、ものすごく左を向いて見えるんです!

直角な部分が多ければよいというものでもなく、ウッド形状などは、複雑な曲面をもった球体ですから、これを視覚的に違和感のないように作るというのは、実は至難の業なんですよ~

また、フェース面が平らなアイアンとフェース面自体が丸みを帯びた球体のウッド形状では、この見え方も大きく変わります。
ウッド形状は、このフェース面の曲面のせいで、フェースの上と下がねじれて見えたりするものもありますよね!

また、クラウンの外側の頂点の位置でもどこを向いているのかの印象は大きく変わります。


トゥの頂点の位置、バックサイドの丸み、頂点の位置、ヒールからバックへのつながりの角度、丸み、フェースのトゥ側の丸み、クラウンのマークの位置、角度で見え方が変わる
トゥの丸み、頂点の位置、トゥトップの研磨方向、トップラインの角度、丸み、ふところの見え方、角度、リーディングエッジの向き、まるみ、リーディングからトゥへのつながりのラインなどで見え方が変わる

たとえば、ドライバーなどでは、構えた時にまっすぐに見せるためには、フェースアングルは0.5度オープンにするというのが作り手としての常識でもあります。
これは錯覚を用いていることになりますので、実際にはフェースは右を向いています。
トップラインのマスキングの仕方などでもこういった錯覚で左を向いていないようにすることな可能ではあるのですが、実際には左を向いていたりするので、結果が伴わないことも多々あります。

そういった意味では、座りが良く、まっすぐに見えて、実際にもまっすぐに構えられているものが、よりよいものと言えるでしょう~
これが、僕の中では、一番良いクラブと考えています。

クラブには個体差もありますから、どのメーカーのどのモデルがいいとは言い切れません。
逆に言うと、個体差がありますので、実際に見て判断するのが一番良いと思います。
今は、通販での購入も多く、見て買うという習慣はないかもしれませんが、安い買い物ではないので、可能な限り、目で確認して選んでいった方が良いと思います。

なかなか、言葉では説明しにくい内容でしたが、いかがでしたでしょうか?

このようなお話いかがですか?
ヘッドの見極め方や、見え方の変化などを教える会を作ったらニーズありますか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?