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93 - 社会との接点

どうやら、彼はこの手をパリのホテルとレストランの半分で使ってきたらしかった。おそらく夏のあいだは、この手も楽に使えるだろう。ホテル側でもブラックリストを作って、できるかぎり自衛に努めているけれども。(『パリ・ロンドン放浪記』)

93(*92はこちら

Chantrapas(シャントラパ/以下”C”): サクサクいきましょうか。

Johnny Cash(ジョニー・キャッシュ/以下”JC”): うん。

C: このメモは……。「ゆりこの高等戦術」。

メモ:ゆりこの高等戦術

JC: ゆりこ、誰。

C: 小池百合子さんが、節電で寒いからタートルネック着ましょうって。(※リンク:小池都知事、節電のために「タートルネック」着用を推奨|BBC)

JC: マクロン。ふふふ。

C: そしたら、これ本当か嘘かわからないけど、いてもおかしくない……「タートル着れない人がたくさんいる」ってどこかで耳にして。

JC: なんで?

C: 小池さんに言われて着たと思われたら恥ずかしいから。

JC: あぁ、ははは。

C: 必然的に首元が寒いでしょう?

JC: うん。

C: 風邪引くでしょう、人によったら。

JC: うん。

C: これ高等戦術だなぁと、感心したわけです。

JC: 百合子さんが言うことで……。

C: 言わなきゃ着るも着ないも個人の選択なんだけど、

JC: うぅん。

C: 「恥ずかしい」「着れない……」って、そんな人が生まれることもあるかもしれないね。

JC: そんな人を都知事にしないでよ。はははは! フランスはマクロンがそれを言い出して、じゃあ毎年着てた人どうするんだろうと……クルーネックにマフラーが売れるのかな?

C: ははは。

JC: マフラー売れるかもな。はははは。

C: そこ、反骨精神の現れとしてだよ? フランス人が「着ろと言われて着るか!」って。日本なら「恥ずかしいから着られない……」って。架空の談話だとしてもエスニックジョークになってるね。

JC: 都知事やらせないでよ。二回言ったけど。はははは!

C: こういう戦術があるのか、と。

JC: 自分は今年着ますよ。

C: 喜んで着た方がいいと思う。あったかいからね。

JC: 見せつけて着るぞ。

C: 「寒い」関連のニュースは混迷を極めてるよね。ドイツでは<部屋で踊りましょう>とか。

JC: そりゃそう。寒さが違う。

C: 寒いってどうしようもないからね。レトリックで何とかなる話ではない。

JC: うん。

C: だから結局おもしろニュースに……。全然なんとも面白くないんだけど。

JC: 大シルクロード以外はそうなっちゃう。

C: <ウクライナは薪の輸出を禁止>とかね。

JC: 豊かな土地。小麦もめっちゃ穫れる。「何やってんの?」ってことだよね。

C: こうなって初めて世界の生産地だったということを知るというね。

JC: いわゆる「制裁」は真綿で自分の首を絞めるような話。ウクライナはもう……見限られているよね。表向き「お金送ってます」とか、結局そのお金が回って自分達の所に還って来るからやってるだけで、ウクライナに行ってるのが実際どれくらいの比率かなんてわかんない。ポーランドにミサイルが落ちた話もね?

C: うん。

JC: 最初「ロシアがやった」って。画像見たらウクライナのミサイルで、アメリカはそれから「知らん」って。

C: 訂正しないね。

JC: うん。あれはやってはいけない事だったんだろうね。あれで終わるかなと思ったら、カネはまだ送ると……。よっぽど儲かるんだなと思ったよね。国民はめっちゃ吸い取られてますよ。アメリカ人もたいがいだよ、日本人ほどじゃないけど……。

C: 政治系の話題が続くけど、

JC: うん。

C: 次のメモは「政治ゴッコに対する無関心こそが最も政治的な態度」。ちょっとこの封筒の束を見てよ?

メモ:政治ゴッコに対する無関心こそが最も政治的な態度

JC: なんだ。

C: この間から連投されてるのね。一通目はすぐ捨てたんだけど。

JC: うん。

C: <民主主義と選挙に関する世論調査 調査票>選挙人名簿からランダムに送られてきてるんだと思うんだけど。

JC: ほぉん。ウチには来ないんだね、やっぱり。

C: ははは。ガラガラポンだから。それで、これに答えないというのは……当然、答えるのが面倒臭いというのもあるけど。

JC: うん。

C: これに「答えない」という態度こそが一番政治的なんじゃないの?

JC: そういうことだね。

C: という事を、絶対にココの人達が分かるわけがないじゃん。「怠惰な国民が民主主義の大事なアンケートに答えやがらねえ(呆)」としか思わないでしょう。

JC: そうかもしれないね。

C: 最初っからそれ思ったけど、捨てて忘れてたのよ。そしたらパッと今度は督促の葉書だよ。<すでにご投函・ご回答いただけましたでしょうか>って。

JC: へえ。すごい予算かかってますね。

C: 次また封書。<再度のお願い>。

JC: 再度。

C: もう一回来たらネタにしようと思ったら……次の次が来た。

JC: すごいな。

C: 封筒3の葉書1。よっぽど誰も答えないんだね。はははは。

JC: 誰も。ははははは!

C: 「これに答えないという態度を民が保ってる」という事がね、

JC: うん。

C: 政治的なわけじゃん、まさに。「茶番には、あなた達の政治ゴッコには関わりませんよ?」というね。

JC: うん。

C: ほとんどの人が。面倒くさいのもあるよ?

JC: うん。

C: それを……電話して「伝わる」のとか無理だし、そもそも言葉通じないから。

JC: はははは。

C: 話してここに上げておこう。

JC: せっかくだから中身ちょっと見ようよ。

C: アンケートする?

JC: 実際、何を問うのか。

C: (開封中)シュレッダー持ってないから捨てるの面倒なんだよ。シュレッダーばさみでいちいち住所切らないといけない……。

JC: でっかい封筒。ゴミ袋ちぎれる。ふふふ。

C: さて。<Q1 最初にあなたの性別をお答えください。男性・女性・その他・答えたくない>。

JC: 答えたくない。

C: ないでしょう。はははは。答えたくないって事を答えないといけない矛盾。

JC: ぜんぜん答えたくない。

C: <Q2 あなたの年齢を記入してください>空欄じゃん。

JC: うん。

C: <Q3 現在の新型コロナウイルスの感染状況のもとで……>この時点で答えたくないじゃん。

JC: うん。まだそんなことやってるの?

C: 「3年経ってその程度」って書くでしょう。あえて書くならね。こういう感じが続く。

JC: 民主主義とどう関係あるの?

C: 何にも関係ないよ。<Q4 次にあげる政党は、新型コロナウイルス感染状況のもとで、経済活動と感染防止のどちらを優先すべきだという立場をとっていると思いますか>これ議席順なのかな? <自民党・公明党・立憲民主>……違うね、与党が先にきてる。

JC: うん。

C: <維新の会・共産党・国民民主・社会民主>以上。この選択肢?

JC: 気持ち悪い。

C: 「ワレワレが政党と認める政党は、コレだ」みたいな。はははは!

JC: (ざっと見る)あぁ……。

C: 誰が答えるのよ。民がこれに答えない事と低投票率を結び付けて鉛筆なめするのが関の山でしょうよ。まあ予算が消化出来ればいいんだろうけど。

JC: この<「成長」と「分配」>ってなんだろうね。Q9。

C: どちらを重視すべきか。

JC: 税制のことだろうけど。

C: ざくっと言うと給付金とか。それ言い出すと安倍晋三が一番エラくなっちゃうよ? 一律10万円配ったでしょう? どんな結論出したいのよ!

JC: そうだね……。<Q19 外国からミサイル攻撃を受ける前に、相手国のミサイル発射拠点を破壊する能力を、日本が持つことに賛成ですか、反対ですか>ふふふ。なにこの戦争ありきの。

C: ね。

JC: うん。

C: コロナありき、戦争ありき。救いのない設問。

JC: こんな馬鹿な……こんな馬鹿なアンケートないね。幾ら掛かってるのよ。

C: 答えるまで送ってくるのだろうか。答えるとQuoカード500円貰える。はははは。

JC: 早稲田大学、読売新聞だって。どこに任せてるのよ。これ安倍派なんじゃないの。はははは。

C: なにが民主主義よって。

JC: 安倍派じゃん。結論、ちゃんと安倍派。民主主義「風」にもほどがある。はははは!

C: まだまだ底が見えないね。

つづく


2022年12月3日 doubles studioにて録音

ダブルス・ストゥディオ
Johnny Cash (thinker/artist) & Chantrapas (designer/curator)
#doubles_studio_talk でトーク部分を一覧表示できます。

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