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34 - パリが大好き!

わたしは生きて、たのしんでいた。そして初恋も……(『セカンドハンドの時代』)

34(*33はこちら

Chantrapas(シャントラパ/以下”C”): ロシアンジョークをひとつ。

Johnny Cash(ジョニー・キャッシュ/以下”JC”): ロシアンジョーク! はははは。

C: 今回はジョークなしでいこうと思ってたけど。

JC: うん。

C: 「ジョークも期待してる」と先週言われて、

JC: ふふふ。

C: なんかあったかなぁと思ってメモ見たら……もう書いてた。

JC: 無意識。無意識。

C: 今回はシリアスだよ、とか言って!

JC: うははははは!

C: メモ見てびっくり。

JC: おそロシア。

C: プーチンがさ、

JC: うん。

C: 今のこの件のずっと前ね。マスコミたくさんいる前で「あなたは(KGB時代に)人を殺したことがありますか?」と聞かれた時の返しが秀逸だった。

JC: うんうん。

C: 「今日は殺してない。」

JC: あぁ~。

C: で、どっと沸くという……。ロシアンジョーク半端ないなぁ。

JC: そうね。演説を聞いていても、真剣な内容だけど彼はやっぱりウィットには富んでいるよね。「含み」ね。

C: 自分の言語があるよね。

JC: そこ実は重要。日本人が頑張って英語で演説するのとはレベルが違う。当たり前だけどね。

C: うん。

JC: ニーチェは凄いよ。「ロシア人にはエスプリがある」って。見抜いてた。ドイツにはないんだろうね。ははは!

C: ニーチェ……誰も冗談を笑ってくれなかったのかな。

JC: そうだろうね。

C: 凄いシリアスな人と「だけ」後世に伝わったわけでしょう?

JC: 相当なユーモアの人でしょう。すごい面白い人だったと思う。

C: JCはそれずっと言ってるね。

JC: ドゥルーズなんかは「あ、面白い人なんだな」と文章読んでても思うけど。うん。ニーチェこそ絶対にユーモアの人。印象操作。「ドイツ観念論!」「くくり」みたいなのがある。イメージが……。ああいうのは産業の下支えをしている民族的な特徴として徹底しているだけであって。

C: キタノブルーみたいな。

JC: ははは! そうね。キタノブルー的な。はははは!

C: 作られた刹那。

JC: 作られた部分だと思うなぁ。たぶんそうでしょう。日本人は海外から見たらクローンだよね。

C: そうだ! 昔見た映画で。

JC: うん。

C: イザベル・ユペール主演の……何だったかなタイトルは。たいした映画ではない。(※『間奏曲はパリで』でした。)

JC: うん。

C: そんなに昔の映画ではないんだけど。パリで、日本人観光客の女性二人が……。

JC: うん。

C: 河でマスクしてるのを見て、ほんとに見下した顔で嘲笑う一瞬のシーンがあるのね。

JC: うんうん。

C: あの顔は凄かった。名演技。それで……ギュッとフランスが厳しい規制の国になったじゃん。

JC: うんうんうん。

C: あんな顔で見てたのに……。フランスって実はすごい全体主義国家で、

JC: うんうん。

C: ね? そういうところがある。「自由、平等、博愛」みたいに思ってる人は驚いたと思うけど、全然そういう所。自由平等博愛も「堅牢さ」の一部。

JC: そうね。堅牢さよね。

C: つい最近もマクロンが「我々はロシアと戦争はしていない」とか。

JC: うん。

C: Ready to goですか? という。

JC: 虐殺があったみたいでドイツとフランスが制裁姿勢を強めると言ってたけど、その一歩手前くらいはもう「制裁やめたい」みたいな事言ってたからね。揺らす目的、長引かせる目的もあると思うけど。

C: うん。

JC: EU自体が……それぞれの国の持っている「商売用の堅牢さ」みたいなものがあるでしょう?

C: うん。

JC: それを補完し合うためにEUがあるわけ。それぞれの意見がバッティングしていたから弱かったわけだよね。アメリカや中国に対してついて行くしかない状況が始まって……だからEUにすることで「隠蔽」し合う。本当の弱さを。

C: そうね。

JC: で、「支え合って」きてたわけだけど。こういう事があってドン! と揺らぐと、「ウチはこれがない、ウチはこれが」と個別にバラバラの事を言い出す。

C: うん。

JC: それ統一出来てますか? というと、全然出来てなかったわけだよね。今EUの中でもたぶん意見がバラバラ、それはイコールNATOが揺らいでる。プーチンはぶっ壊す気満々だから。完全にプーチンに振り回されてるというか。

C: うん。

JC: 日本のメディアと……だいぶ真実はかけ離れてるだろうね。

C: 二次大戦後のフランス……戦勝国のフリしてるでしょう?

JC: うん。

C: 大戦中はナチの傀儡政権だったわけだから。でも戦勝国みたいな顔出来てる。

JC: そうだね。

C: マクロンのその発言はどうしてもそれを考える。

JC: そういう国。

C: マスク姿の日本人を見て笑ってた顔も、コロナの規制をがんがんしていった事もちゃんと覚えとかないと。正しくはどの顔か。

JC: フランスに対して、文化的に良い映画が生まれたり、良い小説が生まれたり……基本的に「入って来てるもの」だからね。それを評価する能力とかは高い。ヨーロッパにおいてそういう役割分担の一つに過ぎないわけで。彼らはその「優秀さ」みたいなのをすごいスポイルされて育ってきてるからそれが消えない。アジア人見たら笑ってしまうとか、たぶん治らない。パリジャンは特に。はははは。

C: 治らない。

JC: みんな英語出来るのに観光客に意地になってフランス語喋ってたでしょう。

C: まあ……15年前とかはそうだったけど、10年前からはサービス的にはもう全然そんな感じじゃなかったかな。

JC: その辺が実はフランスが一番気を付けなければいけなかった部分。

C: それをやってないといけなかった?

JC: そうそう。EUの先頭に立ってグローバリゼーションの旗振り役になっていったでしょう。イギリスに対抗するかのような勢いで……。でも自分達の国民性はめちゃくちゃ意固地。

C: あん。

JC: まったくグローバルに向いてない……のにも関わらず、やろうとするからね。

C: 激しく同意。

JC: やっぱりイギリスという国があるから、フランスがそういう立場を自らね。

C: うん。

JC: 強さを誇示しようと思って、弱い方に行ってしまう。難しいよね。

C: アクロバティックな方法で最初から勝ってた風にするよ、前みたいに。

JC: もう始まってるでしょう。マクロンそれやる気満々。ゼレンスキーの格好してる時点でヤバい。こいつ役者だなぁ……。

C: ファッションニュースだった。

JC: ぶっ飛んでる。

C: 妻との馴れ初めも面白い。生徒と先生。ああいう倒錯的なところとかも。

JC: 倒錯者よね。所謂ね、DSの……みんなの言ってる「ヨーロッパ貴族」。

C: うん。

JC: ね、旧来の。そこの御曹司……そこで作られた子供みたいなものだからね。何にも知らんと言えば何にも知らん部分もある。かなりいかれてる。ボリスは悪い。アプローチが対極。やる事はだいたい一緒だけど、出してくるやり方ね。ヨレヨレのジャージ着て海岸走ってみたり、ボサボサの髪の毛のまんまとか。

C: ナッジだね。

JC: イギリス的ブラック。マクロンは……はははは!

C: ピュア?

JC: ピュアなボケ。可愛いじゃ済まないけどね。

つづく


2022年4月4日 doubles studioにて録音

ダブルス・ストゥディオ
Johnny Cash (thinker/artist) & Chantrapas (designer/curator)

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