見出し画像

夫は姫か?

朝、可燃ゴミを室内で回収しながら夫が独り言をぶつぶつ言っていた。
「最悪や~、もぉ~」のリピート。
明らかに機嫌が悪い。
私はそれを隣の自室で聴いていた。
一体、何のことだろう…?

夫は私やこどもの電気の消し忘れとか、自転車カバーの掛け忘れとか、日常的なお金の話しとか、割と小さめのことで気分を害して、苦言を呈してきたりする。ウルセ
長々とは言われないが、大体2回は同じことを言ってくる。
細かいことが気になるタイプだ。

だから、また私何かやったっけ?と思った。
夜帰宅した時に、今朝のあれどうしたん?と訊ねたら
「腕時計が見つからなかった」という。
私「へッ…('Д')?ソンナコトデ?

昨晩、帰宅した時に家電の故障について私が話しかけたから、いつも必ず帰宅直後に定位置にしまうはずの腕時計を、トピックに気を取られている間にどこか別の場所に置いてしまって今朝見つけられなかった、とのこと。

へッ('Д')?

知るかよ!

と思った。

夫は自分が不注意であることを心得ていて、それに自身が振り回されないようにいくつかルーティーンを課している。
終業後は私に毎日、帰宅する旨を伝える同じ文のメッセージを送ってきたり。(いらんけど。)
食事の前に絶対に入浴するとか。
食事は野菜から手をつけるとか。
ほかにも知らんけどなんかあるらしい。
見ても私は気にかけていないから。
そのおかげで私は夫のパニックを見ないで済んでいるので結構なことだとは思う。


家族で出かける時はほぼ夫の運転で夫のクルマで出かける。
私は免許を持たないし、取得する気もない。
対して夫はクルマと運転が大好きだ。
結婚して割とすぐに家族で電車に乗った時に、夫が切符を失くしてパニックになったことがあった。
大声を出したりしないが、「あ~最悪や、もぉ~」のリピートで手をガサガサ動かしてポケットに手を入れたり出したり……
その瞬間、自分のことしか考えられない状態になった。

その様子をはじめて見た私は
「あぁやっぱりこういうひとなんやな」
と思った。
キャパ狭そうなのは知っていたし、コミュ障で親友も彼女も一人もいない、ヲタクのおじさんだと知っていて結婚したので、ハハーンという感じで納得した。

切符を失くしたら改札でどこから乗ったかを係員に伝えたら、料金を払うか家族もいる場合もういいよ次は失くさないでねって通してもらえるかどっちかだから大丈夫だよ、って私は言ったけど。
夫は切符を絶対に見つける!モードに入っていた。
しばらくガサガサやっているのを私と娘はしれーっと見ていた。


危機管理とか、トラブルシューティングは、とんでもない目に散々合わないと、身に付かない。
私も夫もアスペルガーだと思うけど、夫はママに大切に守られながら失敗しないように生きてきた。
生まれた地元で、同じ家で、同じ学校に、同じ会社でずっと。。。
私は、13回引っ越しして、転校もしたし、転職っていうかフリーターだったし、男を転々としていたし、親も兄弟もバラバラになったし、自己都合以外の急な変更も多々ありの人生だった。
人生は突然の変化だらけだと、失敗や挫折の連続なんだよ、と認識している私にとっては、夫が自分を大切に、傷つけないように、守りながら生きていることがいまでも不思議である。
私はその恩恵で、人生で最も長く一箇所に留まっていて、安全な生活をはじめて味わっているのだが。

私はたぶん、攻撃や変化、ダメージにめっぽう弱い夫を守ってあげているのかもしれない。
今日まで自覚はなかったけど、書いていてそう思った。
夫が姫だな~っとはずっと思ってたけど、自分が騎士だったとはいま知った。

もうこれ変えられないからしょうがないな
( ´∀` )


覗いてくれたあなた、ありがとう。

不定期更新します。
質問にはお答えしかねます。

また私の12ハウスに遊びにきてくださいね。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?