映画の帰り、歌舞伎町で泣いた夜


#映画にまつわる思い出

新宿にはゴジラヘッドのTOHOシネマズを始め、たくさんの映画館が並んでいる。私は新宿区育ちなので映画といえば新宿だった。家のそばから家族でバスの乗り歌舞伎町に行く。40年前は立ち見で観たり、映画の途中から観始めて次の回の途中まで観ることもあったと思う。幼い頃に映画祭りで映画を観たとは思うが、最初に観た洋画は「スーパーマン3」だった。小学2年生か3年生だったと思う。同級生が「スター・ウォーズ」を観て面白かったという話をしていて、私も映画に行きたいと親にせがんだ。しかし、映画に行くなら家族一緒、私1人の希望は通らず、両親・3歳上の姉が選んだ映画は「スーパーマン3」だった。それでも初めての洋画にワクワクしていたが、いざ映画始まると字幕が読めない、字幕のスピードについていけない。母に読んでくれるよう頼むが、母も周囲を気にして苦笑いをするだけ。私はふて寝をして2時間を過ごした。そんなわけはないのだが「スター・ウォーズ」なら楽しめたのに、と思いながら…。だが事件はこの後だった。私の態度に父が激怒「1人で帰れ」と言われ、バス代の小銭に手に、夜の歌舞伎町を彷徨うことになったのだ。バス停すらわからず、すぐに父が付いてきたので迷子になることはなかったのだが…。後で考えれば、あの同級生も、おそらく字幕は読めてなかったはずだが、「スター・ウォーズ」の映像だけで楽しんでいたのだろう。全くいい迷惑だ。

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