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姥捨介護キリングホーム🏠❻

牧野知里とはあれから何度か仕事で組んだ。2人で飲んだあの夜の出来事にはあまり触れないようにしていた。もしもまた2人で飲んで、少しでも誘惑されたら俺も我慢しきれる自信が無い。ただでさえ、牧野が視界に飛び込んできたなら目で追ってしまう程気になる存在になっていたからだ。決して美人とは言えないが、地黒でシャープな顔から時々溢れる笑顔には十分な魅力があった。

セミの鳴き声から鈴虫の鳴き声に切り替わった頃だった。牧野と2人夜勤の時だった。1人だけ面倒な利用者がいる。体重があるうえに、エアーマットと呼ばれる褥瘡(じょくそう)防止の特別な柔らかいマットなものだから、排泄時に排便があった時、体を横にしておくのがとても重く感じる。2人がかりでないと体力的にキツい。俺が体を支えて、牧野がケツを拭く。この利用者さえ終われば他は大した事はない。お互いに割り振りした利用者のオムツを変えたら事務所に戻って雑談が始まり、話題は彼女のペースで下ネタへ…。

「川崎さん、ちょっと変な音聞こえない?」事務所の外を指差した。2人で出てみる。異音などしない。「あっちからする」と脱衣所へ行く。きっと換気のために窓を開けっぱなしにしてるのだろう。2人で脱衣所に入ると、こちらを向いたまま牧野は動かない。これは「もしや」と固まってしまった。「いつもそうなんですかー?」と言いながら唇を重ねてきた。重ねながら右手は俺の股間を揉みしだく。そのままズボンもパンツも脱がされ、とてつもない音をたてながらしゃくりたおす…。そこまで上手くはないが場の状況から興奮してしまい、牧野の下半身を後ろから突き刺した。ヨダレと牧野のずぶ濡れになったそれによって生で簡単に入ってしまった。決して緩いわけではない。むしろ肉感のある名器に近い。ガタガタと本物の異音が脱衣所内に響き渡る事数分、体位も俺が上になり牧野がそろそろ限界を迎えたようだ。それを見て自分も我慢する必要がなくなり、素早く引き抜いた後、牧野の口へ自分のモノを当てがった。男を喜ばす術を知っている…。全て飲み干した顔には薄っすらと笑みが浮かんでいた。

行為は一回で終わらせた。俺も年なのか、眠くなってしまった。風呂場で軽く洗い「眠くなったから少し寝かせてくれ」と言うと、牧野は笑顔で「拒否られるかと思った。でも嬉しかったです」と言いながら、そのまま事務所横の職員用トイレに消えていった。その後は終始機嫌が良さそうでいつもよりキラキラしているように見えた。

ふと考える。「牧野と一緒になるか、そうでなければ最悪どちらかが辞めなくてはならなくなる…」今の俺には、そのどちらも決断する勇気が無かった。ズルズルと今の関係を続けていくしかない。もし一緒になれば系列の違う施設へ異動だろう。

あれから彼女から求めてくる事は無かった。楽しく話しながらも、俺の様子を伺っているように感じた。牧野は俺が歳の差を気にしているくらいにしか考えてないだろう。腹を割って話してみることにした。「なら、週に1回でも私の部屋に来て欲しい」との事。それくらいならお易い御用。こちらにとっても都合がいい。それからは暫く楽しい日々が続いた。牧野も前の男の話など一切せず、遊びに行けばあらゆる事を満たしてくれた。

そんな月日が流れ関東にも雪虫が舞い出した。

☆くれぐれもフィクションです。

納豆にはウニ数の子を混ぜて食べたいです。


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