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#自然の郷ものがたり

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阿寒摩周国立公園に住む方々の声を集録したフリーペーパー「#自然の郷ものがたり」の記事を公開しています。
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#聞き書き

【自然の郷ものがたり#13】受け継がれる「一歩園精神」、阿寒「復元の森」づくりへの挑戦【聞き書き】

阿寒にはかつて、この美しい自然を愛し、人々の幸せな暮らしを願った1人の女性がいました。 「阿寒のハポ(アイヌ語で母) 」とも呼ばれた前田光子さんは、義父である前田正名さん、そして夫の前田正次さんの遺志を継ぎ「阿寒の自然を後世に残し続ける」という悲願を叶えるため、前田一歩園の財団化に尽力しました。その影には前田家の思いを具現化してきた人々の努力がありました。 阿寒湖を取り囲む3600haもの森林を「人の手が入る前の原生林」の状態に戻す「復元の森づくり」もその1つ。今回は前田

『自然の郷ものがたり〜阿寒摩周国立公園の暮らし〜』第二弾を制作しました

みなさん、こんにちは!ドット道東です。 ドット道東は、前年度に引き続き環境省からの委託を受け、阿寒摩周国立公園周辺地域のブランド意識向上を目的としたプロジェクト「自然の郷ものがたり〜阿寒摩周国立公園の暮らしプロジェクト〜」をおこなっています。 世代・業種を問わずあらゆるレイヤーの方から「国立公園の近くで住むことの豊かさ」について取材・集録した1冊は、地域内外の方から反響をいただき、2021年度に第二弾を発行するに至り、第二弾の制作も弊社で行うことになりました。 第一弾同

【自然の郷ものがたり#10】自然と共生する阿寒湖アイヌコタン。伝統を楽しむ、アイヌの案内人【聞き書き】

世界から高い評価を受けている阿寒湖アイヌコタンの木彫り作品。「風と光を彫った彫刻家」として知られる瀧口政満を父に持つ瀧口健吾さんは、自身も木彫り作家として、アイヌの精神を受け継いでいます。 亡き父より「イチンゲの店」を引き継ぎ、伝統を大切にしながらも、アイヌ文化の案内人として新しい取り組みをはじめたお話をお聞きしました。 ※この記事はドット道東が制作した環境省で発行する書籍「#自然の郷ものがたり」に集録されている記事をWEB用に転載しているものです。 カムイノミとの出合

【自然の郷ものがたり#8】「足寄なんて……」を乗り越えて 地元の人にこそ知ってもらいたい地域の魅力 【聞き書き】

足寄町には官民という別々の立場を経験した上で、町の未来に向き合っている方たちがいます。足寄町役場を辞めて会社を立ち上げた佐野健士さんと、地域おこし協力隊からカフェ店長に転身した細矢千佳さんです。 お二人は地元住民が地域の魅力を考える「オンネトーの魅力創造委員会」で知り合って意気投合。行政と民間という両方の経験を踏まえ、毎日さまざまな人と接しながら足寄の魅力を探し続けています。 写真右 佐野健士(さの・けんじ)/1978年、北海道幕別町札内生まれ。東京国際大学を卒業後、足寄

【自然の郷ものがたり#7】自然の中にあるストーリーを大事にしたい。屈斜路湖に望む「静かな観光」【聞き書き】

日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖。その湖畔にある屈斜路コタンで生まれ育った磯里博巳さんは、アイヌの木彫り作家として伝統を受け継ぎつつ、自然からインスピレーションを得た斬新な作品づくりで、地域の魅力を伝えています。 かつて松浦武四郎にコタンを案内した先祖のこと、雄大な自然に学び遊んだ少年時代、屈斜路湖から見た観光の変遷と未来に望む姿。この地に暮らし続けてきたからこその思いをお聞きしました。 磯里 博巳(いそり ひろみ) 1960年、弟子屈町屈斜路湖畔にあるコタン生まれ。ア

【自然の郷ものがたり#6】地域と環境省が手を携えるまちづくり。阿寒摩周国立公園が目指す未来【イベントレポート】

阿寒摩周国立公園における満喫プロジェクトを振り返り、新たな出発点にするために。本誌『自然の郷ものがたり』プロジェクトの一環として、2021年2月8日に特別鼎談イベントが実施されました。 登壇者は、弟子屈町長・徳永哲雄さん、NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構理事長・大西雅之さん、環境省阿寒摩周国立公園管理事務所・笹渕紘平所長の3名。鼎談から浮かび上がったのは、環境省と地元住民が対等なパートナーとして地域づくりを担う未来でした。 ▽プロフィール(左から) 徳永哲雄(とくな

【自然の郷ものがたり#5】人と人を繋ぎ、「故郷」をつくる。井戸端会議から始まるまちづくり【座談会】

阿寒湖には、まちづくりを女性の観点から考える集まりがあります。結成以来、20年近く活動を続けている「まりも倶楽部」です。自分たちが地域のことを学び、地域住民と観光客の両方に阿寒湖の魅力を伝える活動をしています。 今回は、まりも倶楽部が結成された当初から活動してきた4人のメンバーに集まってもらいました。阿寒の外から移り住んできたメンバーも多いなか、まりも倶楽部が地域の魅力を見つけて発信する原動力を聞いてみましょう。 まりも倶楽部 まちづくりを女性の観点から考える有志の集まり

【自然の郷ものがたり#4】暮らしも自然も、守り続けるために。ロングトレイルで、地域の進む道を拓く【聞き書き】

屈斜路湖の北西部を藻琴山から美幌峠を通り、津別峠まで結ぶロングトレイルの構想。実現に向けて中心的な役割を担うのが、美幌観光物産協会・事務局長の信太真人さんです。 もともとトレイル自体にはあまり興味がなかったという信太さん。それでも構想を実現させようと奔走するのは、町の人々が自然豊かな地域に誇りを持つこと、そしてここでの暮らしを未来に繋ぐことを、願っているから。そんな信太さんに、活動に対する思いと展望をお聞きしました。 信太 真人(しだ まこと) 1974年、広島県出身。幼