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296/366 【人間の原動力は】劇場版 「鬼滅の刃 無限列車編」

うずくまっていても時間の流れは止まってくれない。優しく寄り添ってもくれない。

時は何に対してもすべからく平等に流れていくし、命もまた、平等に1秒1秒、燃やし尽くされていく。

限りあるからこそ美しいのだし、どんなに泣いても過去には戻れないからこそ、その瞬間瞬間を最大限後悔の無いように生きるしかない。

それをど直球で、まっすぐな燃えるような瞳で明言されたら泣くしかないじゃないか。こんちくしょう。

鬼となって永遠に強さを探究し続ける道もあるけれど、永遠の中には命の煌きは存在しない。だから鬼は、太陽の下では生きられない。

人間の原動力は心だ。

心もまた人間にしかなく、無意識もまた人間にしかない。だから夢を見ることができるのも人間の能力なのだ。そして強さと弱さは表裏一体だ。心は強くて脆い。どこまでも強くもなれるけれど、ほんの些細なきっかけで粉々になることもある。

どちらも同じ心。

夢を見ながら死ねるなんて幸せだよね。

努力もせずに夢が叶う、他人の力で夢が見られると思い込んでしまう愚かさもまた、人間なのだ。そしてそんな実体のないふわふわな夢を見続けられると勘違いしてしまうのもまた、人間の弱さゆえの愛おしさだ。

私の「無意識領域」が映像化されるとしたら、どんな世界が広がっているだろう。底無し沼を奥に秘めた緑深い森が広がっていそう。時折、変な鳥の泣き声が聞こえたり。でも木漏れ日も美しかったり。

おどろおどろしい恐怖と美は、実は隣り合わせだ。毒々しい色の蜘蛛が、朝露煌く巣を張っていたり、狩で仕留めたウサギの血で口を染めた神々しいチーターがいたり。そんな無意識であればいい。美化しすぎかな。

もしかしたら、伊之助と善逸のように自分しか存在しない闇のような無意識かも知れない。それも重々あり得る。

善ちゃんの無意識にはおじいちゃんが出てきても良さそうだけれど、どんだけいろんな思いを封印してるのだろう。辛いことをそれだけ封印できるのも、また強さの証だろうけれど。

俺の家族をなめるな!

書いてるだけでじわんとする。絶対的な信頼感がなければ吐けない言葉。

そういえば今回の鬼の人間の頃は描かれなかったけれど、共感させない仕掛けかしら。テレビアニメの鬼は皆、人間なら誰しも備えている弱さにつけ込まれて鬼になってしまっていてとても共感できたのだけれど、今回の子に共感されたら... 困るか。

末尾ではありますが、冒頭とラストの背景美術の見事さも際立つ作品でありました。大スクリーンで見る価値のある田園風景!森の緑むす感じとか、さらさらと流れる小川とか、うわあ、これ背景画だけでぜひ拝見したい!と鼻息が荒くなったことを特筆して、終わりたいと思います。

煉獄さんのことは今書いたら泣いちゃうからね。

漫画未読でこれからも未読であり続けますので、ぜひ続きを制作してください。

よろしくお願いいたします。

明日も良い日に。

テレビ版を見た後の感想はこちら。




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