【シン、とは】 映画 「シン・ウルトラマン」
この分断の時代に、この映画が寄り添ってくれますように
初日舞台挨拶での斎藤工さんの言葉に、この映画の大切な部分が凝縮されている。
主人公である地球外生命体は、当初、感情表現が乏しい。だが、対話を重ね、人と繋がりを築き上げるにつれ、感情が少し表に出るようになる。その過程で人間を欠陥ごと愛し、寄り添うようになる。
突如日本だけを襲い始めた禍威獣の発生理由は細かくは説明されない。ただ、それが存在することがニューノーマルになっていることは確立される。病気を含めた自然災害と同じだ。
そして、この世界で、「人間はそのままで兵器になる」。人間は、いとも簡単に、人間同士で敵対してしまう。
それでも、禍特隊の人々は、ただ攻撃するだけではなく対話を続ける。お互いとも、組織内でも。その様子は、端から見たら滑稽に見えることもある。
痛みを知る ただ1人であれ
圧倒的な知性や力を前にした時、人は自らの小ささに直面せざるを得なくなる。そして、その前に膝を屈しそうになる。
だけれど、誰しも、微力ではあっても非力ではない。
微力と微力が繋がれば、そこからは何かが生まれる、かも知れない。
それを目撃した圧倒的な光の中には、その諦めない心を愛してくれる者もいるかも知れない。全員ではなくとも、もしかしたら、1人くらいは。
シン・ウルトラマンの「シン」は、「心」なのかな。
庵野さんの「ウルトラマン愛」「特撮愛」がこれでもか!と詰まっていた。オリジナルのウルトラマンへのリスペクトダダ漏れのオマージュカットもたんまりあった。(ウルトラマンが飛んでいくところ、正面から取った時の、一瞬のカクツキとか!)
禍威獣の暴れっぷりも(特撮展、またやって欲しい)、ちょいちょい出てくるエヴァ的デザインも、オタク心をくすぐる。
って、そうか、むしろエヴァの戦闘シーンの方が、ウルトラマンオマージュか。逆やった。
情報も感情も、洪水のように攻め寄せてくるので、一回だと全てを捉えきれない。
もう一回見なければ。映画館で。
他にも沢山の良い映画が、映画館で皆さんを待っています。
斉藤工さんの最後の言葉への、お返事として。
明日も良い日に。
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