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【ケレン味とは】 劇団☆新感線 「薔薇とサムライ2」

やれるかやれないかじゃない。やるかやらないかだ。


こんな情報過多が過ぎるポスターあるかな⁈

前回の「薔薇とサムライ」から10年以上が経過したコルドニア王国。海賊上がりの女王の治世は、平和で豊かな生活を国民にもたらしている。

才能さえあれば取り立てて貰えるが、どれだけ高位に着いたとしても、市井の人々との交流は皆、絶やさない。病人がいれば寄り添うし、難民が到着すれば、衣食住を手配する。陛下恩自らも。

そんな理想の国でも、やっぱり周りの国との軋轢は起こってしまう。

でもそんな時に味方になってくれるのは、過去の自分が育んだ「時」だったりする。

お手本とする人が、自分の周りにいるか。いるならばその人についていけばいい。その人がいなくなってしまっても、心の中のその人の言葉に耳を貸せばいい

そうやって、意志や理想は引き継がれていく。

「世代交代」ってこういうことだ。

思いっきり逃げろ。世界を逃げまくれば、そのうち追いかけてくるやつを追い抜くことができる。

逃げることで、追い抜ける。いずれにしても、全力で、が鍵となる。

大真面目に書くとこんな感想になるけれど、実際見ている間は、ひたすら笑ってばかりの3時間半だった。

冒頭、アンヌ女王(天海祐希さん)が、過去の海賊に一瞬で切り替わった時に出した、ドスの効いた声にヒョエっとなった。さらに冒頭の、怒涛の早替え!どのお衣装も美しすぎて泣けてくる。舞台裏はてんやわんやだろうけれど、舞台に出てきた天海姐様は、涼しい顔で登場する。

2幕は、盗賊貴族と、義賊のお衣装。「アルセーヌ」が燕尾服で出てきた瞬間、そりゃもう期待しましたよ。こ、こ、これはもしや?!と。でもまさかね、そんなね、なんて思っていたら、そのまんま、宝塚の全面協力あっての「ベルサイユの薔薇」!!!!!feat 天海祐希 with 新感線の皆さん。相手は高田聖子さん!

豪華すぎて瞬きしている暇がありませんでした。

いやー眼福。

そして… 1幕中盤になっても、早乙女友貴さんが出てこない。あれ?どこで出てくるんだろう?って思っていたら、引きこもりの王子役!

お部屋からでてこられないなんて、あなた、殺陣とかどうすんの?とヤキモキしていたら、まずは大好きな婆やとの日本舞踊(注:ソルバニアロッソは欧州です)。ああ、扇捌きのなんと華麗なことよ。

でもさ、殺陣はどうするのさ?!となっていたら、そうきたか!という仕掛けでの、ムッシュ・ド・ニンジャ!!!!

相変わらず、早乙女君の殺陣だけ、くるくるの回転速度が3倍早い。風をきる音が聞こえるよう。愛する川原さんとの斬り合いもがっつりあって、終始マスクの下で小声で大声援でありました。

古田新太さんも久しぶりにちゃんと走って殺陣やって、キセルもくるくる回しておられました。おお、久しぶりに本気出してるーと思ったら、WOWOWの収録日だったそうでございます。極めて納得。放送日をチェックせねばなりません。

生瀬さんの眼圧と顔圧もガンガンびしびし。ドーナツをくるくるさせながら、可愛らしくもとても良いことを言い続けてるのに、なぜか滲み出る胡散臭さは、どこの毛穴から出してるんだろう。

言葉だけだといい人なのに、この人のドーナツは、絶対に食べちゃいけないって思わせるのを見ていると、ああ、人の思惑のミルフィーユって、よーっく見れば見えるのかも、と感慨深い。#すぐに騙される私が言ってる

相変わらず、1幕の情報盛りだくさんっぷりも笑ってしまいました。いやもうこれ以上は情報処理能力が追いつかないってなった途端、アンヌが記憶喪失に。いや、こっちの記憶だから、喪失されかけてんのは!!笑

舞台上では、ベルばら以外にも、「俺の話を聞け〜」なんてしっかり聞かせて貰えるのに、映像出演ですらも歌わせてもらえない浦井健治シャルルに爆笑。なんなんその贅沢なウラケンの使い方w

いつもの冒頭のジューダスからの、五右衛門とアンヌの歌舞伎魂決め台詞まで、終始ひたすら楽しい舞台でした。

ああ、だから新感線が大好きだ。

明日も良い日に。


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