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378/731 【平蜘蛛自体が時限爆弾とか】 大河ドラマ 「麒麟がくる」 第40話

げに何事も一睡の夢

松永弾正祭りと平蜘蛛時限爆弾の回でありました。

いやもう立ったまま切腹とか、なんなんこの人。なんなんこの演出

でもやっぱり爆死は無理だったのね、なんて数分冷静になった瞬間、大爆発する平蜘蛛という名の時限爆弾。

名器を信長なんぞに渡したくない、なんて浅ッさい思いだけで行動する人ではありませんでした。最後まで弾正さまは弾正さま。

寝返りすらも光秀への問いかけになっています。家柄血筋とは関係なく取り立てていたはずなのに所詮筋目かよ、という弾正の弾劾に光秀は真正面から反論できない。

平蜘蛛など欲しくはない。戦などしたくはない。

これまでずっと敬語だったのに、ここへ来て初めて、弾正さんと対等の言葉使いになっている。そこまでのお立場になったことが伺えます。

そして信貴山後、信長に呼ばれた十兵衛を見計らったようなタイミングで、平蜘蛛爆弾が盛大に爆発します。

十兵衛が初めてわしに嘘をついた... (中略)何故皆、わしに背を向ける

現代コロナの物理的なディスタンスも、当時の精神的なディスタンスも象徴するようにだだっ広い広間に名器の残骸だけが置いてある、孤高の高さに聳える天守閣に一人残されてしまった信長さま。精神崩壊の音すら聞こえてくるようだった。ガラガラガラ。

帰蝶ちゃんも去り、十兵衛には嘘をつかれ、帝は冷たい。

もう少し徐々に壊れていくのかと思っていたけれど、この日、信長は完全に壊れてしまったのではないかしら。この後は、ただただ壊れてしまった信長さまが、壊れているが故の行動を取り続けるだけなのではあるまいか。

だとしたらこの勝負、傾奇者の弾正の完全勝利じゃないか。

松永殿の罠じゃ。

生前最後に対等の言葉を使った相手は、自分よりもやっぱり上手だったと身にしみて悟る十兵衛。しかもその爆弾で壊れたものは、もはや取り返しがつかない状態になっています。

今まで心の支えとなってくれていた煕子ちゃんすら、もはや「爪の音」の中にしかいない。

信長どのの行く末を案じておるのじゃ

一番の黒幕は、やっぱり帝なのかも知れないとさらりと暗示するこの言葉にも震えがきます。これ究極のおまいう案件ではあるまいか。何も手を汚さず、御簾の背後にいるだけなのに、誰もが帝に翻弄されていく。

名物を持つ者は持つだけの覚悟が要る
いかなる折も誇りを失わぬ者
志高き者
心美しき者

この松永の遺言を、光秀はどう解釈するのか。

光秀と信長の精神的な旅路を視覚化したら、物凄いジェットコースターのような軌跡ができる、名言オンパレードな回でした。

すごい。

明日も良い日に。

アイキャッチは、初雪を記念して!

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