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43/365 【能面】 テフロンにさよならする日

2020年、感情noteを始めます。心が震えたお芝居や映画や本、訪れた場所といったコト録も続けますが、それらは言わばハレの日。その合間にある「普通」の毎日を、も少し書いてみたいのです。でも、何でも良いってなると、ちょっぴりハードルが高いんです。

その点、感情は毎日動くもの。喜怒哀楽のようにパッキリしたものもあるけれど、その隙間にある色とりどりのあわいも見つめてみる。良くも悪くも、なんかもやっとしたやつ。1日を振り返って、感情がなーんも沸かなかった、なんて日もあるかも知れません。それはそれで興味深い。

写真と140字だけの日もOK。ちゃんと整理できていなくてもOK。毎日書いていたら、何かが変わるかも知れないし、何も変わらないかも知れません。なーんも定かではありません。

でも、やってみたいをやってみる。できることなら、365日。意地っ張りな自分を見据えた上での、やってみようを始めます。

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テフロンのフライパンが儚くなった。

朝ごはんに半熟目玉焼きを作った後、コンロに置いたままにしてあった。

朝食後、洗い物をしようとフライパンに冷水を流したら、ジュブっと嫌な音がした。あれ?もう冷めてるはずなのに、と思ってコンロを見たら、極弱のままになっていた。

よく火事にならなかったものだ。目玉焼きトーストとハチミツがけヨーグルトの朝食に小1時間もかけはしまいが、それにしたって危ういところだ。

それにしたってテフロンだ。これ無しでは、一人お好み焼きを綺麗に返すこともできなくなるし、大根餅もれんこん餅もぺっとりと張り付くことになるだろう。

チャーハンだってパラリとはいかなくなってしまう。

張り付く以外では見た目は何も変わらない。だが一瞬にして全てが変わってしまった。ずっと仲良しだった誰かが、ある日突然疎遠になるって、こういう感じなのかも知れない。何気ない冷水のジュッで、後戻りが出来なくなってしまうのだ。

それをいじましく捨てられないでいるのも、また、人間関係のようだ。だって少しひっつくけど、大丈夫かも知れないじゃないか。そりゃあ少しは不便だけれど、今まで一緒にいた仲じゃないか。

そうして暫くしたら、やっぱりダメですわマジで、なんていう結論になり、マンションの1階の隅にある、いつ捨てても大丈夫な燃えないゴミ置場に出すことになるのだろう。

何の感慨も浮かばない表情のまま。





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