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メタルマクベス disc 2

「悪事を働くには、青すぎた」

disc 2のランダムスター夫妻を一言で表すなら、このセリフじゃないかしら。

Disc 1 の熟年夫婦(橋本さとし、濱田めぐみ)と違い、disc 2 の夫妻(尾上松也、大原櫻子)はとても若い。若くて、青い。そして、小さい。小さい人間が大きな野望を持ってしまい、その挙句、一度は手にいれたはずの血塗られた栄光の玉座に、逆に呑み下されてしまう。

「殺すのが楽しいからさ」

「ただ楽しかったから」だの「つい手を出してしまって」だのというフレーズは、やれドラッグだ、やれオンナだ、でロックスターが捕まる度に吐くセリフだ。

それと同列の、若さゆえの暴走なのではないかしら。なんせ二人合わせて「ランディローズ」って、もうまんま、「シド&ナンシー」じゃないか。

ランディ(マクベス)夫妻が罪の意識に苛まれ始めるタイミングが違うのも面白かった。ランディは凶行の直後から後悔しかない。だから、グレコは葬儀の際にすでに疑い始めている。

ランディ夫人は、直後は全く動じていない。だが、罪悪感から笑顔を失い、正気を失っていく夫につられて、だんだん精神を病んでいく。ランディがもっと強かったら、笑顔をちゃんと保てていたら、王様になってからは血を流すことをしなければ、夫人は正気のままでいられたのではないかしら。少なくとも、もう少し長く。

ランダムスター夫人役の大原櫻子ちゃんが、想像以上に良かった。歌声が思っていたよりも太い。魔II夜を尻に敷いている感じも良い。そして、disc 1に渦巻く「上流階級に実力でのし上がってきた叩き上げ将軍の積年の謀略」ではなく、「つい思いついてしまった浅はかな夢」を実行に移した小物による悪事感がとても出ていた。

めっけものは、グレコ役の浅利陽介!シャープな太刀筋がとても好き。ラスト魔II夜との大立ち周りでの、どっしりと腰を落として刀を向ける感じがたまらない。河原さんのスタイルをがっつり踏襲しておられる。松也さんとの身長差20cmくらいあるのに、あの迫力。すごいなー。

途中で演歌が差し挟まれるが故に、メタル感が薄くなっているので、メタルはちょっとね、な方にとっては朗報かしら。わたしはメタルでガンガン行ってくださる方押しだけれど、こうも印象が変わるのか!と思えたことは、良い経験。ってことは、disc 3ではラップも放り込まれたりするのかなー。Hamiltonばりに。

そして終演後、レスポールジュニアの原くん含めた三人のお誕生日お祝いがありました。原くん、ケーキ出てきた瞬間、号泣していて、もらい泣き。

でも、その原くんの涙ながらの「あと半年くらいやっていたいです!」発言に対する、他キャストさんの「いやいや、それはあなたが若いから言えることっす。俺ら、無理っす。」って空気にウケましたw

さて、次はいよいよdisc 3。橋本じゅんさんと岡崎司(gt)さんが戻って来るー!わーい。(あ、そして冠さんがいるってことは、やはり王道メタルシャウトに戻るのか。)


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