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宮野真守の神回 「銀河英雄伝説 Die Neue These」 第3章

嘘をつくなミッターマイヤー。卿は嘘をついている

いやもう、分かってたんですよ、いよいよだって。なんせ今回で2巻終わりまでいくんだから、このシーンが来るって覚悟していたのに…

宮野真守さんが凄かったんだよ…

アンスバッハに対する尊大な態度も、さらにその前にファーレンハイトに見せていた、公平正大で寛容で、自分が目指している理想的な専制君主の顔を一切合切かなぐり捨てた、魂からの叫び声。一瞬でキルヒと出会った10歳くらいの脆さ剥き出しの少年に戻って、絞り出すような声で自分を責めながら、運命に駄々をこねるんだよ…

周りの音から色から、何もかもが停止した瞬間だった。

これだけの慟哭があったからこそ、直後の緘口令中の3日間との対比が効いていた。例えどれだけの悲しみを経た後でも、時間は無慈悲に流れていく。ましてや歴史を作らんとしている者を、時は悠長に待ってはくれないのだ。

卿らも同様だ。私を倒すだけの自信と覚悟があるなら、いつでも挑んできて構わない。

ロイエンタールへの挑発的な発言の前に、ラインハルトが発した笑い声にぞわぞわした。空虚で、狂気の半歩手前の、自分を嘲笑するような音。確かに笑い声なのに、悲鳴のような音がしていた。

なんかもう... 泣ける。←語彙力

ノイエのこの一連のシーンは、間の取り方も上手い。目の前が真っ暗になった感が前よりも強い... 気がしてならない。石黒版を再度見直してみなければ。

ラインハルトとヤンのお墓参りのシーンをカットバックで見せていたのも印象的。ジェシカとジャン・ロベール=ラップのお墓参りに行ったヤンは、これで心に一区切り付けた表情なのに対し、ラインハルトは、心をお墓に置いていく。彼は、失った半身をこれからも引きずり続けるのだ。未来を見る人、過去を引きずる人、という対比が、やはりノイエは強い。

しょんぼりとラストの下山さんのナレーションを聞いていたら、流れてきたED楽曲にまた泣かされた。

OP楽曲が、鎮魂歌アレンジになっていた...

OPシーケンスのど頭で、ラインハルトの旗艦、白いブリュンヒルトに寄り添っていた紅いキルヒアイスの旗艦バルバロッサは、もう無いのですよ...

バルバロッサ登場の前にブリュンヒルトの周りを飛んでいた蝶々になっちゃったんだよぅ...

このレクイエム演出はずるすぎる。

基本、私は自由惑星同盟派なんだけど、今回ばかりは、帝国側の印象が強すぎる。

強いて言うなら、蛇足備忘録的にはなるけれど、アルテミスの首飾りの描写が面白かった。ビームを発射する中央部分を真珠に見立てて真ん中に仕込み、周りを細いプラチナ細工で幾重にも覆った精緻な造形をしていて、本当に首飾りみたいだった。キュルキュルって撃たれるビームも、3重に捻ったネックレスのチェーンのようだった。

えーーーっと、3巻以降って、どんなご予定でしたっけ?

って、制作されるんですか?されるよね?しないなんてそんなご無体なこと言わないよね?!?!

ギリギリでしたが、間に合ってマジで良かった。(マニアだけに) ←

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