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#仕事

【小説】特別な仕事

 「お疲れ様でした」
退社の準備を整えたらしい若手社員の堂島が挨拶しに佐藤の元へやってきた。期待の新人と噂されているだけあって、ちゃっかりと顔馴染みになっておこうという算段だろう。なかなか抜け目ない男である。そんなことを思いながら軽く返事をすると、すかさずキラキラと目を輝かせて言葉を連ね返してきた。
「入社した時から佐藤さんのご活躍を伺っていました。もう憧れの存在で、お会いできて光栄です。これから

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