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中国でも大人気!「14ひきのシリーズ」 中国版出版社さんに人気の理由を伺いました。

今年40周年をむかえた「14ひきのシリーズ」。
今月、「14ひきのシリーズ」中国語版の出版社、接力出版社と、子どもの読書推進に携わる方たちが、作者いわむらかずおさんへの取材のために来日され、童心社にもご訪問くださいました。
 
「14ひきのシリーズ」は、世界17カ国で翻訳出版されていますが、特に中国では幅広い年齢層に愛されて、大人気だといいます。
中国での広がりや人気の背景について、お話を伺いました。
 
 
――なぜ、中国で「14ひきのシリーズ」が愛されているのでしょう?

3つの理由があると思います。
ひとつには、豊かな自然が美しく描かれていること。植物や風景、生き物たちが、美しく細やかに描かれていて、読むたびに発見があります。

ふたつめは、家族のあたたかい愛情が描かれていること。家族みんなでいっしょにごはんを作ったり、洗濯をしたり、協力する姿があたたかく描かれています。
 
もうひとつは、収穫や調理など具体的な過程を描きながらおいしそうな料理や食事が描かれていること。
中国の人々はおいしいものが大好きですが、『14ひきのもちつき』、『14ひきのかぼちゃ』や『14ひきのやまいも』など、野菜がどうやって育ち、収穫、調理され、おいしい料理になるのか、このシリーズではドキュメンタリーのようにその過程が描かれています。自然を学ぶレッスンとして、このシリーズを購入してくださった幼稚園も多くあります。


中国版の12冊セット。日本では単品で気に入った作品からシリーズを買い揃えていく方が多いのに対し、国土の広い中国では、インターネットを通じてセットで購入する方が多いそうです。

――「14ひき」で描かれている、豊かな自然とその恵み、ともにすごす家族への愛情など、わたしたちが暮らす中で大切に思っていることが、国や文化を問わず普遍的であること、またそうしたメッセージを、海外の読者の方も、日本の読者と同じように受け止めてくださっていることを実感します。
「14ひきのシリーズ」中国版は、2010年の刊行から13年になり、世代をこえて読者が広がっていると伺っています。読者からのエピソードや感想について、印象的なものがあれば、教えてください。

中国でも、新型コロナウィルス感染防止のため、子どもと一緒に出かける機会が減って、子どもが生まれてからの数年、ほとんど外出できなかったという人もいます。
そうした中で、この「14ひきのシリーズ」を子どもと一緒に読んで、自然とはどんなものなのか、また、どうやって人と一緒に生活するのか、人と人とのつながりとはどういうことなのか、絵本を通して伝えたという感想が印象に残っています。


また、おじいさん、おばあさんの世代には、自分たちが育った暮らしが、「14ひき」で描かれている世界ととても近いと、よろこばれるそうで、子どもだけでない層へのプレゼントとして、「14ひき」を購入する方も増えています。
 

――今年、中国でもシリーズの40周年を紹介してくださっていると伺いました。

下の写真は、2月にあった中国国家図書展のブースの写真です。
ブースでは、読者の子どもたちと、14ひき40周年のHappy Birthdayをお祝いしました。他にも、記念出版や絵本展などオフラインのイベント企画も考えています。

「14ひきのシリーズ」についてお話を伺った後は、紙芝居の出版社でもある童心社のご紹介も兼ねて、紙芝居を楽しみました。(*1)


ハイチーズ! 最後は『14ひきのあさごはん』のタペストリーを前に、全員で記念写真。
 
接力出版社のみなさま、遠方よりご来社いただきありがとうございました。





*1:実演でご紹介したのは民話紙芝居『しっぺいたろう』(津田真一 脚本/田島征三 絵)と、参加型紙芝居『ぱん ぽこぽん』(矢代貴司 脚本/ひろかわさえこ 絵)。
『しっぺいたろう』は、化け物たちの「ぎっぺらぎい ずっぺらずう」の特徴的なフレーズと田島征三さんの色鮮やかな迫力ある物語です。
『ぱんぽこぽん』は、ノックをしたり、手をたたいたり、簡単な動きをまじえて楽しめる参加型紙芝居。11か月頃から楽しめるあかちゃん紙芝居です。

接力出版社のみなさんにとっては、おそらく初めての紙芝居、また初めての参加型かみしばいでしたが、みんなでいっしょに楽しめました。

紙芝居は日本独自の文化財。出版社も片手で数える程しかありません。中国でもいくつか日本の紙芝居が翻訳出版されはじめています。絵本とあわせてぜひ中国の子どもたちにも楽しんでいただきたいです。

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