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算命学余話 #U110「印局の諦念と達観」/バックナンバー

 恒例の年間大予想を冒頭に掲げた前回の余話は、2016年の年干支である丙申の日に生まれた人の宿命の読み方について細かく述べたのですが、あいにく人気はいまひとつでした。既にどこかで述べた通り、占いや運命に関心のある人の命式というのには傾向があり、丙火日生まれの人がその傾向から遠いことは承知していたのですが、案の定の結果となったわけです。尤も、この丙申という自然風景の解釈は非常に算命学的なので、干支の組合せの裏に隠された意味や、星をより輝かすために必要な支援星を探るヒントとしては、非常に効果的です。丙申に限らず、算命学は自然風景のバランスや特徴の増長が問題解決のカギとなりますので、基礎に不安のある学習者にはお勧めしたいです。

 今回のテーマは前々回の『余話#U108玄』の八相局への関心が高かったことから、五種類ある八相局のうちのひとつである八相印局について取り上げます。八相官局とちがって八相印局(以下「印局」)は先祖からの因縁がそれほど顕著ではないので玄番からは外しますが、やはり特徴ある命式のため、これに飛びついて他の目立たない星を見落としてしまう読者の軽率を牽制して、購読料を上げてあります。ご注意下さい。

 印星すなわち龍高星・玉堂星は共に知性を司る星ですが、お騒がせ星とされる龍高星が発狂を誘発する性質を持つことからも判る通り、知性と痴性は紙一重、天才と狂人は紙一重です。いくら命式に知性星が多くとも、その知性を遺憾なく発揮できなければその命式は宝の持ち腐れであり、むしろ知性星のない人より頭が悪かったりすることはよくあることです。
 知性を司っているからといってまっすぐ知性に結びつくわけではない、というのが算命学の冷ややかな見解です。知性というのはまず磨かれなければならず、そのためには何より子供のうちから高度な倫理観に裏付けられた優れた教育を授けなければならないのです。
 そんな扱いの難しい知性星をいくつも抱えた命式の人とはどういった傾向を辿るのか、その辺りを考察してみます。

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