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空気読まなきゃダメですか?個性の発展を願った夏目漱石からのメッセージ②

今回の参考作品

こちら

今回は夏目漱石の学習院大学での講演、その後半部分のまとめになります

今日も本から学んだことを自分の学びにするためアウトプットとシェアを行わせてください!

時代背景

前回のブログでお話ししたのではしょります!

まとめ

講演の後半部分をまとめるとこの3つに集約できます。

その1
自分の個性の発展を遂げようと思うなら同時に他人の個性も尊重しなければいけない

その2
自分の所有している権力をしようと思うならそれに付随している義務というものを心得なければいけない

その3
自分の金力(経済力)を示そうのと思うなら、それに伴う責任を重んじなければいけない

この3つです。

今回はその1の「自分の個性の発展・個人主義」について重点的にお話をします

夏目漱石が考えた個性の発展・個人主義

漱石はこんな事を言っています

自分がそれだけの個性を尊重し得るように社会から許されるならば、他人に対してもその個性を認めて彼らの傾向を尊重するのが当然である。自分が人から自由を享受している限り他の人にも同程度の自由を与えて同等に取り扱わなければならない・・・

これは自分勝手にやる、だとかやりたい放題にやる、というのとはちょっと違います。

自分勝手な人っていうのは「自我」「自由」を尊重してるよ~と言いながら、他人の自我自由に至っては全く認めていない。

ちょっと極端な例をあげると、権力を行使して、自分の意見を押し付ける。意見にあわない奴は、粛清だ!みたいな。

そこまでいかなくとも、個性尊重と言いながら、人への敬意がない。あるいは、人の意見が認められない。同調圧力をかけてしまう。

「自分が左を向いてるんだから、みんなが左を向いてるんだから、あなたも左を向かなきゃおかしいでしょ!」

・・・そんな人も結構多くいるんじゃないですかね?

でも、そうした風に「勝手にやる」のではない。自分の幸福のために自分の個性を発展していくと同時にその自由を他にも与えなければならない・・・と漱石は強く信じていました。

夏目漱石がイギリスで見たもの

33歳の時に留学したイギリスで、漱石は

自分の自由を愛すると同時に、他人の自由も尊重する。
そういった教育を子供がちゃんと受けている様子をよく目にしていました。

1805年のトラファルガー海戦で活躍したネルソンの言葉にはこんなものがあります。

「英国は各々がその義務を尽くすことを期待する」

この言葉には、
ただ自由を享受するだけではなく他人の自由を尊重すること・義務を尽くす事が重要だ。という思想が強く現れている、と漱石は言います。

イギリス留学でのこうした経験も、漱石の「個人主義」の形成に大きく関わっていそうですね。

お家での夏目漱石

夏目漱石の個人主義的な思想がよく現れてるエピソードがありました。

漱石は、意見の違いはたとえ親しい間柄だとしてもどうすることもできないと考えていました。

例えば自分の家に出入りするような若い人たち、目下の人たちに助言はしても、その人たちの意見に抑圧を加えるようなことは余程のことがない限りしなかったそうです。

また、相手が望まないのであればそう簡単には助けを求めることもありませんでした。

漱石は人の存在をそれほどまでに認め、自由を与えていたんですね!

最後に思う事

漱石の言う個人主義の2つの側面、つまり

各々が個性を発展させていって幸福に繋げよう!という側面
そもそも「個性」が大事なんだから他人の個性も尊重する・大事にしよう!という側面

のうち、後者の方はすっぽ抜けがちだな~って思うんです。

国民性というべきか、どうしても僕含めコミュニケーションは同質性に焦点が当たりやすいから。「みんな一緒だよね~そうだよね」的な共感ベースのやり取りになりやすい。

しかもみんな一緒だよね的価値観を、人にも押し付けちゃう、拡散させようとしちゃうようなところがある。

それって漱石の言う個人主義とは全く逆のことなんだよな~。

最近、妻が小学校のお母さん同士の井戸端会議的集まりに出くわして、雑談したらしいんですけど。

みんなうちの子ゲームばっかりやってて困るよねのよね~。そうよねえ。

みたいな感じで話をしていたと。
みんな子供の管理ができていなくて困っているよ。みんなそうだよね?それを確認する作業であったと。

でもうちは特にそこは、困っていないので。妻は

うちはちゃんと子供と約束をしているから特に困ってないんですよね~。管理できるアプリもあるし。良かったらアプリ教えてあげましょうか?

みたいなことを言ったそうで。本当に日本人ですかあなた笑
当然、それを言ったら合わせろよ~みたいな空気になったと。

でもそのやり取りって、よその家は違うって前提がないですよね。そんなわけないのに 笑

違うって前提があれば上手くいっているお家を真似たりもできるのにな。状況は良くなるはずなのに。同質性の確認って、そういう発展性みたいのは乏しいのかも。

そんな事を思った次第です。

なかなか日本人には、個人主義への道のりは遠いのかしら・・・?
でも良き気づきを与えてくれた良著でした!

今日も、ありがとうございました~!

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