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木は森に、不倫カップルは繁華街に

 泥棒猫です。

 私の誕生日のお祝いに彼がセッティングしてくれたお店は、どうも若者向けだったようで、中年不倫カップルの私たちは浮きまくっていたと前に書いた。

 彼は同級生で誕生日も9日しか違わない。今度は私がお誕生日のお祝いをしてあげる番だ。なんとしても大人の余裕を見せつけねば!二人とも魚よりお肉好きなので、ここはすき焼きで。おいしいから、いつか彼と一緒に行きたいと思っていた繁華街のお店を予約した。


「このお店にしたよ。全室個室だし」

 と詳細を送ったらなんか反応よろしくなかった。

 なんでかな?と思って探ったら、どうもこんな街中で誰かに見られたらどうしようって心配してるみたい。

 だけどね、どっちかというとちょっと街はずれの隠れ家的なお店のほうが訳ありっぽくない?こんな繁華街だったら、見られても接待や仕事関係だと思うし、同伴だっていっぱいなんだから誰も気にしないよ。そう思わない?って言っても、乗り気じゃなさそう。

 あのね、木は森に隠せというでしょ。ジャニーズの合宿所がなんで原宿だったと思ってるの。もう予約したから変えない。・・と私も意固地。


 結果は、彼も喜んでくれたから大丈夫だったかな。

「このお店、いいね。おいしい。今度仕事でも使おう」

 って言ってた。

 当日は雨で、お店に入るのも出るのも別々にして慎重に行動したし。彼も安心したでしょう。

 ただ、デザートのメッセージプレートはイマイチだったかも。さすがにピカチュウではなかったけど、地味~な感じだった。そういう華やかさはなかったか。これは引き分けかもな。

 彼と一緒においしいご飯が食べられて幸せ。


 帰り道、

「今日は本当にありがとう。節目の誕生日を一緒に祝えて嬉しかった。これからもずっと一緒に祝って、一緒に年を重ねていこうね。」

 ってメッセージが入ってきて、私の方が嬉しかったよ。

 ありがとう、また行こうね。

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