あと何回、こうして彼を待つ時間を持てるだろう

　泥棒猫です。

　彼の会社近くで、仕事が終わるのを待っている。いつも待たされるんだよね。まるで神田川。あなたはもう忘れたかしら。

　神田川はお風呂だから、洗い髪が芯まで冷えて小さな石鹸カタカタ鳴るけど、私は暖かいところでお茶しながら待つのよ。

　今日は甘いものダブルコンボ。サンマルクカフェのチョコクロとココア。甘ーい。耳下腺が痛くなりそう。美味しい。

　

　こうして待たされるのもあと何回かな。

　仕事でトラブってるみたいだから、しばらくかかりそうだな。

「ごめん、終わりそうにない…」

　って言われてむくれたり。いろんなことがあったな。ずっと当たり前に会えると思うから、むくれてみせることもできたんだね。すぐそばのビルに、彼がいるからこそ。春からは待ち合わせも出来ない。

　贅沢な贅沢な、不満なんだよね。

　早く

「ごめんね、待たせて。今から出るからね」

　ってメッセージ入らないかな。

　そして、早く

「春になったらまたずっと同じ街にいるね。またしょっちゅう会えるね。」

　って言い合える、３年後の１月２３日になればいいのに。