ゲロ甘プリンジュース

小学生の頃のある日、あまりにも糖分が欲しくてゲロ甘プリンジュースを作った。
材料は、プリン、牛乳、砂糖、隠し味にお菓子棚に入っていたアポロ。
レシピなんて知ったことかと言うぐらい、全てどっさり入れて、ミキサーにかけた
何も溶かしたり砕いたりしていないアポロが入っているので、ガキンガキンと音が鳴り響く。
機械の悲鳴っておそらくこんな感じなんだろうなあ。
結果、出来上がったゲロ甘プリンジュースはクソまずかった。
これはあれだ、多分あれの味だ。
不味さや色合いからも、頭には『アラレちゃん』のうんちが思い浮かんだ。
あのピンク色のファンシーなうんちをミキサーにかけたら、きっとこの味がするのだろう。
まさか小学生にして、スカトロ体験をすることとなるとは。
ご先祖さまも行く末を案じて涙したろう。
あなたたちの子孫は、アホです。
そして、この液体ウンコは飲み切れないと気付いたオレは、証拠隠滅を図った。
お母さんに見つかったら、こっぴどく叱られるからだ。
さて、どうしよう。
シンクやトイレに流したら、詰まる可能性が高い。
そうなったら、普通に見つかった時以上に怒られてしまう。
導き出した答えは、自宅外にあるちょっとした庭園へとブチ撒けることだった。
何故かは分からないが、植物たちなら確実にゲロ甘プリンジュースを吸収し、栄養分にしてくれると思ったからだ。
しかも、植物たちはたとえ不味くても何も言って来ない。
しめしめ、完璧だ。
ああ、ご先祖さま、あなたたちの子孫はアホのゴミです。
だが、アホのゴミのくせに、予想通りお母さんにはバレずに済んだ。
何故だ?
とは言え、結果オーライだ。
そんな出来事から、当時のオレは、ノリだけで糖分まみれの謎ジュースを生み出そうとするのはやめようと心に誓った。
まあ、やるならやるでも、アホゴミガキを脱した大人になってからだ。
とうぶんは無くていい。

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