レンチン卵爆破バージン

人生で初めて、卵をレンチン爆破させた。
爆破させた瞬間、(うわ〜、オレ、この体験は初だわ〜)と即座に浮かんできたぐらいだから、本当に初めてなんだろう。
この様子を横で見ていた彼女に、「爆弾魔」とイジられ、「キンブリー(『鋼の錬金術師』のキャラクター)みたいだろ」と応えたら、「これじゃレンチン術師だね」なんて切り返された。
やかましいわ。
閑話休題、まさかこんな予想だにせぬタイミングで、卵爆破バージンを奪われるとは。
人生で一度ぐらいは、体験してそうなもんなのに。
もちろん、卵を電子レンジにブチ込んで加熱したら爆発することぐらい、ガキの頃から知っている。
今回も、あくまで温泉卵を作ろうと器に卵を割り入れ、尚且つ黄身に爪楊枝でプスプスと穴を開け、対策に対策をしたつもりだった。
それなのに、爆破してしまった。
おそらく、プスプス具合が弱く、しっかりと割れていなかったからだと思う。
オレは、卵の弾力性?を軽視していた。
卵、お前は、強い。
ただ、日常生活に潜む危険行為を体験できたことは、新たな扉が開けたようで、非常に良かった。
オレは、ビビリの心配性なので、心の安寧を常に求めている。
こんな性格だと、危険に触れることはなく、毎回しっかりと避けてしまうのだ。
思い返せば、学生時代にも、友達がやっていた失神ゲームやコンセントにシャー芯を入れて電気を起こす遊びなんかも、まったくと言っていいほど、やってこなかった。
だって、怖いもん。
下手すりゃ死ぬど。
それにしても、皆んなはこれを事故としてではなく、能動的に実践して、スリルを味わっているのか。
自分が、どれだけ挑戦をしてこなかったのか分かった。
今回みたいな危険行為とは言わないまでも、今後は新しい事柄に挑み続けるよう、意識したい。
この体験で、閉じこもっていた殻を破れたような気がする。
まあ、割り入れてるから殻は無いんだけど。

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