肝っ玉母ちゃん

肝っ玉母ちゃんの夜の営みが気になって仕方ない。
と言うのも、ペガサスやグリフォンよろしく幻獣種の交尾のような希少性を秘めているはずだからだ。
何にも想像が出来ない。
ここで理解してほしいのは、ある種の神秘に惹かれているだけであり、いわゆるスケベな好奇心とはまったくもって違う、と言うことだ。
エロ漫画やAVの世界のような「普段は強気だけど、夜は甘えんぼさん」とか「豪快パワフルなマウントで、旦那を精魂尽き果てるまでヘロヘロにさせる」とか、そう言う類いは想像の範疇でしかない。
何てったって、オレが触れたいのは、フェイクではなく、リアルなのだ。
北海道のウニがミョウバン不使用で美味いらしいと聞けば、味をただ想像するのではなく、現場で食べて「マジじゃん」となりたいのだ。
しかしながら、そうなってくると問題が生じる。
それは、肝っ玉母ちゃんと付き合うことが不可避であることだ。
今の彼女は、あいにく肝っ玉母ちゃんと呼べるタイプではない。
せいぜい、甘ったれ姉ちゃんが関の山だ。
加えて、もし仮に、甘ったれ姉ちゃんの進化先に、肝っ玉母ちゃんが存在するとしても、進化させたくない。
理由は、タイプじゃ無さ過ぎるからだ、怒ると怖そうだもん。
甘ったれ姉ちゃんの君が好きさ。
ただ、ここまで書いて気になったことがある。
そもそも肝っ玉母ちゃんなんて存在自体が、空想の世界でしか見られないのではないだろうか。
31年間生きてきたが、ジブリ映画に出てくるような「肝っ玉母ちゃんだなあ」と言う女性とは巡り合ったことがない。
やはり肝っ玉母ちゃんは、伝説の生き物なのではないか。
そう言えば、アニメや漫画で、肝っ玉母ちゃんが怒った時の描写は、火を噴き、雷を落とし、鬼のような角を生やしている。
肝っ玉母ちゃんは、地球の民が、自然への畏怖を表した化身なのかもしれない。
母なる地球・マザーアースとは、よく言ったもんだ。

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