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ブックレビュー『宇宙に行くことは地球を知ること』

宇宙に行きたいなんて思ったことは一度もない。
冬の透き通った夜空に輝く星を眺めたり、真っ暗な空にぽっかり浮かぶ月を見つけると、いつも幸せな気持ちになるのに、不思議とその宇宙に行ける未来を想像したことは一度もない。
最近では、民間人が気軽に宇宙に行く未来も現実の話しになってはいるけれど、私にとってはお金持ちの、そして欲張りな人間の行為としか捉えていなかった。

一方、矢野さんは、素直な興味で宇宙に行ってみたいと思う。
それも無重力で音のない世界で、聴覚の優れた彼女がどんな音を聴いて、どう感じるかを音楽で表現したいという。とても素敵だと思った。

野口さんによると、宇宙ステーションの無重力で視覚や聴覚を失った時、
地球を見ることで、心が安定するという。
宇宙は100%死の世界で、その無の世界から地球を眺めることで
改めて地球の素晴らしさ、美しさ、神秘な存在であることを確認する。

コロナ渦で世界中の人が苦しみ、行動を制限されている今だからこそ、
宇宙に心を寄せて、この地球のことを学び、人種を超えて地球が抱えている様々な問題に取り組む時なのだろう。
私たちが宇宙飛行士から学ぶべきことは、まだまだ沢山あるのだろう。

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