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万能細胞の夜

ある晩のことです
小保方博士の試験管から逃げだしたSTAP細胞猫は
空腹のあまり博士を食べてしまいました
気がつくと「彼女」は
持ち前の万能細胞力で自ら博士の姿を再生していたのです
純情な彼女は
上司と理研の圧力を真摯に受け止め
博士の名誉のために論文を執筆し
「ネーチャー」に投稿しました

「どうして人間は競争するのかしら?」

 猫は闘争し競争しない
 猫は破壊し建設しない

「でも雨は苦手
 人間の世界で
 私はどうしたらよいのかわからない」
 
  一匹の猫が日本を徘徊してゐる
  すなわち万能細胞の怪物である
  古い日本のあらゆる権力は
  この怪物を退治するために
  神聖同盟を結んでゐる

           ☆  →☆

本当のことを言っても
だれにも信じてもらえない悲しい夜
明るい満月の屋根の上で
猫たちが
あなたのすてきなキャット・ウォークを夢見ている

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