人間力

「人間力」とは「社会を構成し運営するとともに,自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」を言います。
              内閣府「人間力戦略研究会報告書」より引用

「人間力」は3つの要素からなります。
1.知的能力(基礎学力、専門的な知識・ノウハウ、論理的思考力、創造   
  力)
2.社会・対人関係(コミュニケーションスキル、リーダーシップ、公共  
  心、規範意識、相互啓発力(他者を尊重し切磋琢磨しながらお互いを高  
  めあう力))
3.自己防御(意欲、忍耐力、自分らしい生き方や成功を追求する力(自己受容・自己実現力))
                   
「人間力」を高めなさいと言われても一体どうしたらよいのか考えてしまいます。

1.知的能力
 成人学習は主体的かつ自発的です。自分の経験をもとに学習し、自分の生活や仕事等自分が関係がある、重要であると感じることに興味関心を持ち、問題を解決しようと取り組みます。
嫌なこと、興味がないことはなかなか学習が進みませんが好きなこと、興味があることは進んで学習しますよね。自分が好きでやりたいものができている人は進んで学習し問題を解決しを繰り返しているので伸びます。ギャンブルが好きな人だってどうやったら勝てるか調べたり、必勝法なるものを探したことがあるのではないですか?それも立派な学習です。
自分が好きなものが分からない人は興味を持ったものに取り組むことから始めてみましょう。もしやってみてだめならまた別のものを取り組んでみたらいいんです!

2.社会・対人関係
コミュニケーションが苦手だと感じる人は挨拶からはじめてみましょう!
幼い時から「元気に挨拶しましょう」と教わってきましたね。
子供でも大人でも高齢者でも、新人さんでも大ベテランさんでも「挨拶」は簡単にはじめられます!
「おはようございます」
「こんにちは」
「今日はいいお天気ですね」
挨拶されて嫌な気分になる人はいませんし、明るく笑顔であいさつされたら、自分も笑顔になりませんか?笑顔になると自然と気持ちも明るくなります。暗い職場と明るい職場、あなたはどちらが良いですか?
挨拶すると普通は挨拶が返ってきます。返ってくると自分も一員として認められているという気持ちになります。苦手な人に対して、誰かとけんかをしてしまった時こそ自分から笑顔で挨拶してみましょう。
挨拶から雑談になり、対話になり、議論になっていきます。
コミュニケーションが苦手な人こそ自分から、明るく「挨拶」できたら素敵ですね!

3.自己防御
自己実現力」に注目してみます。
看護や心理学において「マズローの欲求5段階説」というものを学習します。
上から以下の欲求となります。
①自己実現の欲求 (Self-actualization)
②承認(尊重)の欲求 (Esteem)
③社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
④安全の欲求 (Safety needs)
⑤生理的欲求 (Physiological needs)

低次の欲求が満たされると次の高次の欲求を欲するとされています。
つまり低次の欲求が満たされない限り、次の高次の欲求は欲さないということになります。マズローの研究では②~④の欲求を満たさないと「自己実現」の欲求は生まれませんでした。しかし、近年の研究では各欲求は同時に満たそうとしており、低次の欲求がある程度満たされると次の高次の欲求をより強く欲することもあり、低次の欲求の方が幸せに対し強く影響するということが分かっています。

人間力を高めるために⑤生理的欲求をまず満たしてみましょう!
生理的欲求とは食欲、睡眠欲、排泄等、生きていく上で欠かせない本能的な要求です。食欲、排泄は満たされている人が多いと思います。では睡眠欲はどうでしょう?
日本人は睡眠時間が短いと言われています。7時間睡眠できたらよいですね!
あなたは眠れていますか。頑張って眠ろうとしてもなかなか難しいです。リラックスすることが大切です。腹式呼吸や温かい飲み物を飲んだりラベンダーやカモミールのアロマを使ってみるとよいでしょう!

「人間力」は日々の積み重ねで高めていけます!まずは、自分で始められることから小さなことから始めてみましょう!

病棟こぼれ話
寝たきりでもう話したり、自分では食事も、排泄も動くこともできない患者さんを多く看護してきました。色々なご家族もみてきました。入院前の患者さんの「人間力」を感じました。家族が非協力的だったり、親戚も疎遠だったりするのは悲しいことですが仕方ないことです。「自分がしたことは自分に返ってくる」ということ「因果応報」ということわざがありますが、本当だなとつくづく思いました。
患者本人が理解したり話をしたりするのが難しい場合、病状説明などキーパーソンと呼ばれる方に行っていきます。患者自身が高齢ですでに両親は他界されていたり、兄弟も高齢な場合、甥や姪がキーパーソンになることもあります。自分は一人で生きていけるから、誰にも迷惑はかけないからと思っていても、血のつながりがあってもなくても、必ず誰かに支えられて、支えあって生きています。看護師は白衣の天使なんて呼ばれます(呼ばれてますか??)が看護師だって人間です。「人間力」高めていきたいですね!



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