20/02/05_IT決算まとめ(KDDI/WOWOW/エムティーアイ)

決算シーズンとのことですが、今回はWOWOW/KDDI/エムティーアイの決算情報をまとめたいと思います。

WOWOW

2019年度第3四半期決算概要
2020年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

#KPI
40万件の加入で、45万人の解約はすごいですね。
Abema TVも一時期200億円程度のコンテンツ投資(R)をしていましたね。

・売上: 616億円 YoY+0.4%
・営利: 78億円 YoY+14.7%
・新規加入: 40万件 YoY-17.8%
・解約: 45万件YoY-3.8%
・累計会員数: 286万件 YoY-1.5%
・コンテンツ投資額: 200億円

#戦略
今後は、次のような方針を掲げています。
スポーツ番組、アーティストのライブともに日本人向けのローカライズ需要は大きいと思いますし、適切な方針だと思いました。

徹底的なコンテンツの差別化
・生中継を中心にスポーツ番組をお届け 
・オリジナルドラマ
・アカデミー賞授賞式放送
・大型アーティストのライブ

2018年12月から開始しているインターネット放送のトラクションが気になるところですね。コンテンツが差別化されていればしっかりグロースさせることが出来ると思うので。

KDDI

2020年3月期第3四半期決算短信
2020年3月期第3四半期第決算説明会

#KPI
個人向け継続課金モデルの最高峰の携帯キャリアビジネスです。
楽天モバイルの参入(R)もあるので、守りを固めつつ、攻め続けないと行けないポジションです。

・売上: 3.9兆円 YoY+3.5%
・営利: 8439億円YoY+2.6%
・純利益: 5770億円YoY+1.6%
・モバイルID数: 2709万件
・ARPA: 7770円 YoY+4.2%
・ARPA収入: 5671円 YoY+3.3%
・ライフデザイン領域営業利益: 1360億円 +YoY25.9%
・ビジネスセグメント営業利益: 1186億円 +YoY23.4%
・au解約率: 0.72% -> 0.61%

#戦略
今後は、次のような方針を掲げています。

①ライフで事案領域
ローソン・Pontaとの提携
 - 1億超の会員基盤/2000億超のポイント/au pay会員2200万超
AUGMENTED コンビニ 
  - 先端テクノロジーを用いたコンビニ体験 
5G時代を見据えた戦略
 - auスマートパスプレミアム(月額499円)/ビデオパスのコンテンツ拡充

②ビジネスセグメント
IoT回線数: 1000万回突破
IoTによる新たな価値提供
 - SORACOM/日立物流

③5G
5G 商用サービス
 - 渋谷5Gエンターテインメント

au payの会員が2200万人というのはすごいですね。
Paypayが2019年11月に2000万人突破というリリースを出していましたので。(R)
このあたりも寡占市場なので、着実な利益を出してくるのではないでしょうか。
また、IoT回線数も着実に伸びているので、5G時代で業績を向上させてくるのは硬いのではないでしょうか。

エムティーアイ


第1四半期決算説明会(2020年2月4日実施)
「エムティーアイ」みんなの株式, 2020/02/05時点

#KPI
music.jpやルナルナを運営しているエムティーアイですが、有料会員数が減少している影響で、業績も下がっています。 
ただ、musico事業譲受の影響で、QoQは+です。

売上: 61億 YoY-11%
営利 5.8億 YoY-29.3%
有料会員数: 500万人 YoY-8%
時価総額: 427億
PER: 25.48倍

#戦略

今回の戦略は次のとおりです。

①ヘルスケアサービスの売上拡大
クラウド薬歴サービスSolamichi × CARADA(お薬手帳アプリ)の導入件数69軒
→ 改定診療報酬制度が追い風に

②全体有料会員数の維持
M&A施策(musico)の継続

③顧客単価の向上
動画品揃え強化による高単価サービス販売促進

ヘルスケアサービスの調剤薬局向けのSaaSは硬いのではないでしょうか。
ただ、SaaSなので短期で収益が上がるモデルではありません。

music.jpはU-nextのように、本、映画、音楽、などが月額500円から楽しめるサービスです。ただ、このあたりは低価格帯にはamazon prime、auビデオパスなども有りますし、コンテンツの差別化戦略が決算資料からはわかりませんが、漠然とした戦略では難しいのではないでしょうか。

また、高単価サービスの販促 = 会員数の伸びが止まっている可能性もあるので、少し厳しい感じがしました。


まとめ

KDDIは盤石な感じがします。ただ楽天の参入や、SoftbankのPaypay等の投資の加速などで、パワーバランスが変わる可能性もあるので、そのあたりに注目したいです。
wowowなどは、コンテンツの差別化戦略の参考になりやすいのではないでしょうか。

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