【確率思考の戦略論】セグメンテーションターゲティングについて

マーケティングにおいて、セグメンテーションとターゲティングが9割と言っても過言ではない。ターゲットが決まれば、何を解決すべきか?何を提供すべきか?が決まる。今回は、確率思考の戦略論に基づいて、セグメンテーションとターゲティングのノウハウについて記述してみます。

セグメンテーションとターゲティングの目的

いちばん大事なことは、伸びしろのある顧客層を特定することが一番大事である。森岡毅さんが経営再建を果たしたUSJでは、最も来訪していた10月のハロウィンシーズンに、最大の伸びしろを発見し、ハロウィーン・ホラー・ナイトを企画して、来訪者数倍増に成功しました。

自社の来訪データを見るだけでは、最も来訪していた10月に伸びしろがあるとは思わないでしょう。

どうやって伸びしろのある顧客層を特定するのか?

まず、マーケティングでコントロールできる変数は以下の3つである。

① 認知率:自社のプロダクトが何%認知されているか?
② 配架率:自社のプロダクトを何%購買することができるか?
③ プリファレンス:自社のプロダクトを何%選ばれているか?

認知・配架はわかりやすいが、今回はプリファレンスの伸びしろについて深ぼる。

プリファレンスの伸びしろとは?

プリファレンスにも、水平方向と垂直方向の伸びしろがある。水平方向とは、新規顧客開拓である。垂直方向とは、既存顧客に対して更に自社のプロダクトを選ぶ確率をあげてもらう方向性である。

一般的には、水平方向のほうが伸びしろが大きいケースが多い。なぜなら、既存顧客よりも外のマーケットのほうがずっと大きい事と、既存顧客に対する魅力を増すことで、ファンの裾野も広がることになるからです。

USJの事例

USJでは以下の4つのプリファレンスの伸びしろがありました。

①ファミリー層からのプリファレンスの獲得
②ハロウィンシーズンからのプリファレンスの獲得
③個別ブランド(ワンピース等)からのプリファレンスの獲得
④スリルシーカーからのプリファレンスの獲得

「人はなぜテーマパークに行くのか?」という根源的な理由を模索するために、様々なパラメーターに対して回帰分析を行い、その特徴を持った消費者数のボリュームと、現在の顧客のボリュームを比較して伸びしろを評価します。

ターゲティングの意義とは?

あくまでプリファレンスを拡大するために設定するものであって、セグメンテーション・ターゲティングによってターゲットを無下に狭めないことが重要です。

つまり、全世界の人口をターゲットのすべてのニーズを満たすプロダクトを創る事ができれば理想ですが、現実的にそれは無理なので、何を諦めるか?と、何であれば獲得できるか?を決めることです。

考察

マーケターのミッションは、新規顧客開拓≒水平方向のプリファレンスの向上こそ至上命題ではないでしょうか。そのためには、様々な角度から、自社のプロダクトが選ばれる理由を突き止め、モデル化する事が重要です。

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