【リクルート成功要因】コア・コンピタンス経営とは?

リクルートといえば、国内13位の時価総額(1)を誇る、グローバルで競争力を持つ希少な日本企業です。

その地位に昇るまでに、「リボンモデル」と呼ばれるビジネスモデルを様々な業界に応用し、競争に勝つことで現在の地位まで登りました。

リクルートのこのような戦略を経営学の研究では、「コア・コンピタンス経営」と呼びまして、今回はこちらについて解説したいと思います。

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コア・コンピタンスとは?

一言で述べると「自社固有の中核的な組織能力(2)」です。
リクルートの事例に当てはまると、リクルートのコア・コンピタンスとは「あらゆる業界でリボンモデルを構築する能力」と言えるでしょう。

少し抽象的なので、具体的な条件を次に説明します。

コア・コンピタンスの3つの条件

この論文では、コア・コンピタンスは次の3つに当てはまるものだと述べられています。

1. 広範かつ多様な市場へ参入する可能性をもたらすもの
2. 最終製品が顧客にもたらす価値に貢献するもの
3. ライバルに模倣するのが難しいもの

かつての1980年代後半のバブル景気を支えた日本屈指の企業こそ、まさにコア・コンピタンスを活かした経営をしたと述べられています。

例えば、ホンダはエンジン技術をコア・コンピタンスと捉え、バイク、自動車、発電機、芝刈り機等の事業において優位性を築いてきました。

F1レースに莫大なリソースを割いてきたのも、コア・コンピタンスのエンジン技術を磨き、応用するためです。

コア・コンピタンス経営の落とし穴(考察)

コア・コンピタンス経営とはグローバルでの競争力すらも獲得しうる、基本戦略の一つですが、御存知の通り1991年にバブル経済は弾けまして、落とし穴はあるわけです。

個人的にはその理由を「マーケティング近視眼」に陥ってしまったのではないかと思います。

時価総額ランキングの変化を見ても、製造業からITや金融企業等の台頭がこの30年間の変化(4)ですが、その変化に乗り遅れてしまった理由は、マーケティング近視眼でも述べられている、次のようなバイアスがあったのではないなと思いました。

・代替製品は現れない。
・大量生産が利益を伸ばす唯一の戦略である。
・製品の品質を改善し続ければ利益が出る。

つまり、時には新たなコア・コンピタンスを獲得しなければならない程の業界の変化もあり得る。という前提に立つべきだと思いました。

まとめ

コア・コンピタンス経営とは、「自社の一番強い能力を活かした経営」であり、グローバルレベルで通用する戦略です。
しかし、そもそもコア・コンピタンスが通用しなくなるほどの業界の変化も起こりうるので、「マーケティング近視眼」に気をつけましょう。
といったところでしょうか。






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