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【SIREN考察】完全体として復活した堕辰子のお腹に子供がいるとしたら、羽生蛇村1300年の因果が成立する

※ネタバレを多く含みますのでご注意ください。

※この考察は、考察というよりは仮説に仮説を重ねた、もはや妄想です。そのつもりでお読みください。

SIRENとは

プレイステーション2で販売されたホラーゲーム。2003年11月6日発売。

他人の視界を覗き見る「視界ジャック」という能力を駆使し、屍人と呼ばれる敵から逃れつつ戦うステルスアクション。

2006年2月には続編の『SIREN2』、2008年7月には第3作『SIREN:New Translation』が発売されたほか、2006年にはメディアミックスとして、映画化もされています。

完全体として復活した堕辰子

2003年8月5日23時。1300年間続けた『神に花嫁を奉げる儀式』の失敗を悟った八尾比沙子は、自分自身を堕辰子に奉げます。比沙子は1300年前に堕辰子を食べた(眞魚教の聖典的に言えば実を盗んだ)張本人であり、自身を奉げることは1300年前に食べた堕辰子の肉体を返す(盗んだ実を返す)ことになるのです。これにより、不完全体だった堕辰子は完全体として復活します。

このときの堕辰子のお腹に注目すると、復活後は大きく膨らんでいることが判ります。これは、堕辰子のお腹に子供がいる可能性が考えられます。

SIRENプレイ動画 No.63 須田恭也:第3日23時(いんふぇるの)
堕辰子が復活する動画へのリンクです(3:50あたり)。よく見ると、復活の直前にはお腹に胎動と思われる動きも見えます。

長年SIRENを研究してきてなぜこのことに気づかなかったというレベルの話なんですが、堕辰子のお腹に子供がいるとしたら、SIRENの1300年の呪いの謎が解けるかもしれないのです。

SIRENのループの謎を解く『因果の成立』

以前『ループから抜け出す条件は因果の成立』という説を紹介しました。詳しくは下記リンク先の記事を読んでいただきたいのですが、簡単に説明すると、2003年8月5日23時に恭也が堕辰子の首を落とすことで、比沙子は過去の必要とされるすべての時間へ首を届け、恭也は屍人を虐殺し彼が村に来る原因となった××村33人殺しの都市伝説が生まれ、因果が成立してエンディングを迎える、というものです。

実はこのときの記事では紹介しなかったのですが、もうひとつの説として、『恭也が落とした首は比沙子がそれぞれの時間へ届け、身体は天武12年に落ちて比沙子に食べられ、1300年前の因果も成立する』という説もあるのです。

しかし、全ての発端である天武12年のムービーを見る限り、堕辰子は完全体ではなく幼体で、首もちゃんとあります。説としては致命的な矛盾なので、当時は紹介しませんでした。

SIRENプレイ動画おまけ No.01 過去~初日05時
天武12年のムービーへのリンクです。

ですが、完全復活した堕辰子がお腹に子を宿していたとしたら、この矛盾が解消されるのです。

また、天武12年のムービーで食べられている堕辰子の下にはマナ字架が敷かれています。

マナ字架とは眞魚教のシンボルで、漢字の『生』の字をひっくり返した形であり、『死』を意味するとされています。

しかし、村に眞魚教ができたのは比沙子が堕辰子を食べた罪を償うためと思われます。天武12年の段階ではまだ眞魚教は存在せず、そのシンボルであるマナ字架があるはずもありません。そもそも当時(西暦683年)は、日本に漢字が伝来してまだ間もない頃で、読み書きできる人はごくわずかでしょう。羽生蛇村は2003年でも都市部から遠く離れた山奥の寒村であり、1300年も前に漢字を読み書きできるほど学のある人がいたとは考えにくいです。にもかわらず、なぜ『生』の字をひっくり返したマナ字架がすでに存在するのか、長年の疑問でしたが、この点も、2003年から堕辰子と共に堕ちてきたと考えることができます。

これらのことから、羽生蛇村の1300年続く呪いの正体は、『因果を成立させるため』と考えることができるのです。

羽生蛇村の呪いの正体

2003年8月5日23時。恭也が堕辰子の首を落とすことで、様々な因果が成立します。

まず、恭也が落とした堕辰子の首を比沙子が過去に届け、過去で堕辰子が復活することで、ひとつ目の因果が成立します。

続いて、恭也がいんふぇるのから異界へ帰還し、屍人を虐殺することで村人33人殺しの都市伝説が生まれ、それに興味を持ったことで恭也が村を訪れ、ふたつ目の因果が成立します。

そして、堕辰子の子が生まれ、1300年前の村に堕ちていけば、それを比沙子が食べて呪いが始まり、始まりにして終わりの因果も成立するのです。

2003年8月5日23時に恭也が堕辰子の首を落とすことで、少なくともこれだけの因果が成立します。逆に、恭也が首を落とさなければ、全ての因果は成立しません。堕辰子が復活することもなく、恭也が村を訪れることもなく、683年に堕辰子が堕ちて来ることもなくなるのです。そうなると、比沙子は飢えで死亡し、その後の子供、孫、子孫が全て生まれないので、羽生蛇村自体が無くなってしまいます。歴史に致命的な矛盾が発生するので、ヘタをすると世界が破綻する可能性さえあります。

よって、羽生蛇村1300年の呪いは、2003年8月5日23時に恭也が堕辰子の首を落とすためと考えます。これにより、683年の堕辰子降臨を含む多くの因果が成立します。恭也が首を落とさないと最初の因果が成立しないため、村に呪いをかけた『神よりも上位の者』としては、なんとしても恭也に首を落とさせる必要があったのです。その結果が、1300年のループではないでしょうか?

この説の問題点

この説の致命的な問題点は、『堕辰子を産んだのは堕辰子本人』になってしまうということです。

ハッキリ言って、これは私も意味が判りません(笑)。

まあ、自分が自分を産むという点は、まさに終わりも始まりもないループ、SIRENで言うところの『虚母ろ主の輪』となるので、これによって堕辰子は完全に封印されてしまうのかもしれません。

また、もうひとつの疑問点として、なぜ比沙子が実を奉げたら堕辰子が子を宿したのか? ということがあります。これに関しては比沙子自身が妊娠していた可能性がありますが、その場合も父親は誰か、という新たな疑問が浮上します。可能性が高いのはあの人でしょうが(どの人だ)、その辺りはどうか詮索しないであげて下さい。

どうあがいても絶望

父親が誰かなどと詮索している場合ではありません。この説が正しければ、羽生蛇村におけるループは、2003年8月の数日間だけでなく、1300年の間ずっと続いていたことになるのです。

2003年8月3日から5日のわずか3日間だけでも、多くの人が何十何百回とループし、その結果堕辰子の首を落とすことができたのです。実際にゲームをプレイされた方なら、まさにその苦労を体感されたことでしょう。ゲーム的な話で言えば、プレイ中はヒントが表示されますし、なんなら攻略サイトを参照することもできますが、ストーリー的な話で言えば、登場人物たちにはヒントも攻略情報もありません。恭也たちは、プレイヤーとは比較にならないほど、何度も何度もループしたはずです。

これがゲーム中の3日間だけでなく1300年もの間続いていたとしたら、羽生蛇村では実質どれだけの時間が経っているのでしょうか? もはや想像もつきません。そして、そんな途方もなく長い年月を、比沙子はループし続けてきたことになります。

さらに、比沙子だけでなくそれ以外の人物にも恐ろしい事態が起こっている可能性もあるのですが、それはまた別の記事で紹介します。

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