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14歳の女の子の値段

性欲を憎んでいた記事を書いた。

この世には性欲があるからいけないんだと思っていた。

私には老若男女問わず誰とでも仲良くできるという特技はあるけれど、特別可愛くはないから「モテ」はしないと悟っていた。

モテとは性的魅力を認められることで、
そこに焦点を合わせると私の価値は常に「ゼロ」だった。

悔しかった。
なんとかして私の価値を認めてくれる人と出会いたいと思っていた。

学校帰り、部屋にあるパソコンでネットサーフィンをしていた頃、ひとつのチャットサイトを見つけた。テキストだけで会話をする茶の間チャットというサイトだ。

たまたまテレビに出ていた磯野貴理子の名前を借りて「キリコ」とチャットネームを名乗り、気付けばそこの常連になっていた。
年齢は最年少が私(そもそもあまりパソコンが当時普及していない)、大体が成人近く~おじさんおばさんの年齢で、正直「チヤホヤ」された。

特におじさん(40代男性)に。

おじさん達は私とメッセンジャーを繋がないか?と持ちかけてきた。
Yahooメッセンジャーをインストールし、早速繋げた。

いきなり、性器の写真が送られて来た。
モザイクなし。笑ってしまった。

普通はキモイ!って思うのかもしれない。
でも、わたしは不思議と嬉しかった。
今思えば悪戯が過ぎる…と思うし、間違いなく子供部屋おじさんの非モテ男性だろ!ってなる案件だが、当時モテや性欲で頭がいっぱいになっていた私は嬉しかった。

そこから私はエスカレートした。

メッセンジャー個人間でのチヤホヤじゃ飽き足らず、Yahooチャットで個人の部屋を立ち上げるまでになった。
親に「遠方のジャニーズファンと話したい」とかなんとか言ってマイクとカメラも買ってもらい、ついには14歳にして今でいうライブ配信も始めるようになった。

おじさん達が私に群がる。
一時期は40、50人集めた。
接続ランキング上位に躍り出た。

特に肌を見せるわけでもない、ただ何気ない雑談をしているだけで、こんなにも「男」が集まる。

なーーーーーーーーんだ!
学校でモテないくらい、なんだよwww
わたしには価値がある。
たまたま、学校のみんなは私の価値に気付いていないだけ。
ダッッッッッサ!アハハハハ!
私はこんなにも素敵な女なのに!!!!!!!

この辺から私は狂ってしまったと自覚している。
自分の価値がますます、わからなくなった。

性欲が憎いのに、結局性欲に溺れている自分。
他人の性欲にこんなにも喜んでいる自分。

本当は学校で好きな男の子に好きだと思われたかったし、告白されたかったし、告白してOKを貰いたかった。でも全部叶わないから、私は道を踏み外してしまった。そして快感を得た。

最終的に私は肌を露出するまでになる。
性器はBANをくらうので、他の部分だ。

だんだん、リアルの自分とネットの自分の格差が広がって行った。
どれが本当の自分?

モテに拘った14歳の女の子はまともな青春(?)とは程遠い所までいってしまった。

今更被害者ヅラをする気はないが、もう少し周りに恵まれていたらこんな妬み嫉みモンスターは産まれていなかったのではないだろうかと思っている。
いや、もう少し「可愛ければ」かな。やっぱ。

14歳の女の子は、おじさんから見たら「可愛い」だけの事に気づいたのはまたもっと先の話である。


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