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性欲が憎い話

私は恋愛を求めていた。

人を好きになる才能には秀でていて、いわゆる「ちょろい」というやつだ。

そのチョロさは幼少期から顕著に出ていて、保育園に通っている頃からも〇〇くん好き~と、すぐに近くの男の子を好きになってはアピールしていたそう。6歳頃の記憶は、自分でも覚えている。

前回の記事でも語ったが、私は異性の友人が多かった。活発で、動くことが大好き。男兄弟もいることから、親戚に同年代の男が多い事から、男と接することに何の躊躇いも無かった。

だから小学校生活の6年間はそれなりに楽しかったし、いじめとも無縁の普通の子供だった。
中学に上がっても途中まではそうだった。

中学2年生くらいからだろうか。
小学校から一緒の中学のヒトシ君。
家が近くて、ほぼ毎日一緒に帰っていた。
地元の祭りがあれば毎回一緒に行っていたし、お互いの家も行き来しまくる程にとにかく仲良しだった。

ヒトシ君はL'Arc〜en〜CielのHydeに似ていた。
端正な顔立ちで、堀が深め。ハーフのような男の子。
顔で仲良くしていたわけではないが。

成長期に入り、声も低く、背も伸びてきた頃、一部の女子からヒトシ君は人気が出た。
一軍女子(私は二軍くらいの位置)にも人気が出た。

そうこうしているうちに、私へのヤジが飛んだ。

「なんでももちゃんと仲良くしてるの?」って。

「ももちゃんと付き合ってるの?」って。

なんで?って、小学校からの幼なじみ。
付き合ってる?って、ただ2人で一緒にいるだけ。気が合うから楽しく遊んでいるだけ。

小学生の頃ならレベルの違う男女が仲良く遊んでいても、そこまで非難されなかったし、されないだろう。
だけど思春期は違う。
異性が二人でいたらあらぬ噂を立てられ、なぜか見た目まで必然的にディスられる。

何も悪いことしてないのに。

思春期といえば初潮があったりして、体の変化が起こる頃。

私は思った。

性欲がいけないんだ。
性欲があるから、みんな意地悪になるんだ。
みんなで平和に仲良くキャッキャ遊んでいましょうよ。
遊んでいたかった。でもそれは許されない。

色んな異性と絡んでいたら「男好き」のレッテルを貼られる。
「ブスのくせに男好き」
「デブのくせに男好き」
と思われる。

ヒトシ君とユニクロに行ってフリースを見てる時だって、保護者(クラスメイトの母)に

「あらやだ。付き合ってるの?」って言われた。

キショって思った。
なんでもかんでも性愛かよ。
子どもも大人もみんな12歳、13歳を過ぎたら「性欲」でしか物事を考えられないのかよ。

私はそう思うようになった。
でも自身にも勿論性欲はついてくる。
AVを見てハマってしまったし、雑誌のエルティーンspecial(当時のエロ多め子供向け雑誌)だって買って読んでた。

自分がわからなくて、正直今でも分からない。

12歳頃を過ぎた後の「〇〇くんが好き」という感情は全て性欲なのではないかと疑っている。というか確信している。だって、〇〇君とキスしたいし、セックスしたいもん。性欲、だよね。

本当の愛って何なんだろう。
異性間にちゃんと芽生えるものなのだろうか。

性欲が憎い。

私は性欲に良い思い出が無さすぎるのだろうか。
もっとみんな性欲に良い思いをさせてもらっているのだろうか。

現在、35歳になるが私は訪問者が皆驚くレベルでプリンセスなお部屋に住んでいる。
元々ロリィタの世界観が好きな少女趣味。
多分、永遠に子供でいたい。

みんなに、性欲が芽生える前のあの頃が良い。
本当はずっと、あの頃の世界で遊んでいたい。

多分本心はそうなのだろうと思う。

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