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アンラーニングの成否を握るメタ認知力


はじめに

メタ認知というと難しい話なのかな?感がありますが、ここで扱うメタ認知は「ちょっと立ち止まって自分がなんでそう考えたか考える」くらいの軽いものなので安心してください。

提案は自分の成功体験から生まれる

仕事をしていて、「あー、ここはこういうやりかたがいいな」と思って提案するときがあります。自分の場合、過去の成功体験に類似したパターンがあり、それでうまくいきそうだと思ったときに「これでやってみません?」と提案することが多くあります。

これ、ゼミでやったところだ!

同じバックグラウンドでは成功体験の再生産ができる

同じ会社、コミュニティなどコンテクストが共通している場では、成功体験を横展開する提案は高い打率で成功します。成功体験を得ることで「この方法でいける」という自信が得られるため、その方法に対しての自分の中での信頼感が高まっていきます。

背景が異なると、それが必要とは限らない

ところが、コンテクストが違う現場となるとそうはいきません。一見すると類似している事象であってもその事象に至った背景が異なるため、自分が成功体験を得ていたソリューションがフィットするとは限りません。

事象は似ているが背景が異なるためソリューションがマッチしない

異動になった、転職したといったタイミングで自身の成功体験に基づいて提案していくけどうまくいかず空回りしてしまうのは、「背景が異なっているから自分の得意なソリューションがフィットするとは限らない」ということに気づいていないためである可能性があります。
そもそも新しい環境においてその場のコンテクストを知らないと背景が違うということにも気づけないので、ある意味ではいたしかたない現象ではあります。

自分がなぜそれがいいとおもったのか考える

私自身、10月から転職し、まさにこの状態になっています。ですが、提案を遠慮することはなく積極的に提案するようにしています。これは提案を通して自分が認識している背景と実際の背景のギャップを知り、今の現場のコンテクストを理解する、ということを行っているからです。

まず提案する。提案がスッと通って、かつうまくいく場合もあります。
うまくいかなかったとき、うまくいかなかった理由を探るのではなく「そもそも自分はなぜこの方法を提案したのか」を考えます。
「ああ、前の現場ではこういう状況でうまくいったから提案したんだな」といった具合に。
「で、この現場では状況はこういうふうに違う。だからフィットしないんだな」というように状況理解をしていきます。
いったん立ち止まって「自分がなぜそう考えたか」を考えることで、かつて手にした成功体験を手放すこと、アンラーニングが比較的すんなり行えます。

成功体験を手放し、新たな成功体験を得ていく

うまくいかなかったときにはつい「うまくいかせるには」と考えてしまうものです。だって自分にとっては成功体験がたくさんある得意技なわけですから。きっとやりかたがうまくなかった、もっとスマートに提案できればいけるはずだ、と。

そういうトライアンドエラーを繰り返せば、そこそこうまくいく状態にはもっていけるかもしれません。でも、それってちょっと遠回りなのかなという気もします。
その方法でいいんだっけ?というのを自分に問いかけ続け、もっといい方法を探したい。となると、なんでその方法がいいと考えたのかをメタ認知し、いいとおもっていた方法をアンラーニングし、あらためてこのコンテクストでうまくいく方法を考えトライしていくのがいいんでないかな、と私は考えています。

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