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🟦EU初のFinFET対応ファウンドリー

TSMCが、ドイツ・ドレスデンに新工場の起工式を実施しました。この工場は、欧州初の最先端技術を採用した半導体製造拠点となり、自動車産業をはじめとする欧州の産業発展に大きく貢献すると期待されています。

https://www.nxp.com/company/about-nxp/esmc-breaks-ground-on-dresden-fab:NW-ESMC-BREAKS-GROUND-ON-DRESDEN-FAB

🟦TSMCがドレスデンでの新工場起工式

 TSMC、ボッシュ、インフィニオンテクノロジーズ、NXPが合弁で設立したESMC(European Semiconductor Manufacturing Company GmbH)は、ドイツ・ドレスデンに建設予定の新しい半導体工場の起工式を行いました。この工場は、EU初のFinFET対応ピュアプレイファウンドリーとなる予定で、総投資額は100億ユーロを超えます。工場がフル稼働すると、月産4万枚の300mmウェハーの生産能力を持ち、約2,000人のハイテク専門職の雇用が創出される見込みです。

🟦ESMCプロジェクトがもたらす欧州への影響

 ドイツは、自動車産業をはじめとする製造業が盛んな国であり、半導体に対する需要が非常に高いです。特に、近年は自動車の電動化や自動運転化が進んでいるため、高性能な半導体への要求がますます高まっています。欧州委員会やドイツ政府からの助成金や支援もあり、欧州全体の技術進歩と経済安全保障の確立に寄与することが期待されます。ドレスデンは、ドイツのシリコンサクセスリーグと呼ばれる半導体産業が集積する地域であり、人材やインフラが整っていることから、今回の建設地として選ばれました。

🟦まとめ

 ESMCによるドレスデンの新工場は、EU初のFinFET対応ファウンドリーとして、地域の半導体製造能力を大幅に向上させることが期待されています。これまで、欧州は半導体の製造においてアジアに大きく依存してきましたが、今回のTSMCの投資により、欧州における半導体の自給自足率が向上し、サプライチェーンの安定化に繋がることが期待されます。

 TSMCが日本と欧州で進める半導体製造合弁会社の出資比率には大きな違いが見られます。

 * JASM(日本): TSMCが圧倒的な大株主で、ソニー、デンソーなも日本の企業の出資比率は合計13.5%と低い。

 * ESMC(欧州): TSMCが過半数を占めますが、地元企業のインフィニオン、ボッシュ、NXP それぞれ10%ずつ出資し、合計30%を占めています。

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