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🟦 2024年から2025年にかけてのDRAM市場の行方

DRAM市場は在庫削減で価格が回復してきた一方、2025年には供給過剰リスクや新たな製品カテゴリHBMの成長が今後の焦点となると予想されています。

🟦 2025年に向けたDRAM市場の展望と課題

 2024年、DRAM市場では在庫削減を背景に価格が回復しましたが、第4四半期に入るとその勢いは弱まり、供給が安定し始める兆しが見られます。半導体業界の動向をリサーチするTrendForceによると、DRAMのビット出荷数量は2025年に前年比で約25%増加する見込みですが、供給過剰による価格下落のリスクも潜んでいます。特に従来のDRAM製品に加えて、新たにHBM(High Bandwidth Memory)カテゴリが急成長しており、この成長が市場全体の供給構造に大きな影響を与えるとされています。

🟦 供給過剰とHBM成長の背景にある要因

 2025年のDRAM供給拡大には、中国企業の生産能力の増加が大きく寄与しています。地政学的な影響もあり、中国勢がDRAMの供給を急速に拡大する一方で、米国や韓国など他地域のDRAMメーカーは特に高付加価値製品であるHBMへとシフトしています。AI需要の増加に伴い、高速データ処理が可能なHBMは、SK hynixをはじめとする大手メーカーの収益の中心となっており、2025年にはさらに成長が見込まれます。

 従来のDRAMのビット出荷増加が20%程度にとどまる一方、HBMが市場に与えるインパクトが非常に大きいことを意味します。

🟦 まとめ

2024年のDRAM市場は在庫削減と価格回復が進みましたが、2025年には供給過剰と価格下落のリスクが増す可能性が指摘されています。また、AIや高性能コンピューティングの需要を背景にHBMの成長が進み、DRAM市場の新たな柱となる見込みです。

 中国のDRAMの国産化が進む中で、生産量も徐々に増加しています。これに伴い、中国国内でのDRAM消費も増えており、世界全体のDRAM供給状況にも影響を与え始めているようです。

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